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2012年11月26日 (月)

ダニール・シムキンのすべて 「インテンシオ」 11/25 楽日

ガラとしてはもう一息かなあ、というところですが、シムキンくんの確かな進化が感じられました。

2012年11月25日 ゆうぽうとホール

「オープニング」

シムキンくん(← だったと思う)の映像が映し出される沙幕の後ろ側で、練習着や衣装に
レッグウォーマーという格好の出演ダンサーが1組ずつウォーミングアップのような動きを
見せる、というオープニングでした。

「Qi」 
ダニール・シムキン

今回の目玉のひとつ、映像とのコラボレーション作品です。振付はシムキンくんの柔らかさ
とシャープさを生かすものにはなっていたと思うのですが、シムキンくんの動きとシンクロし
て生まれるコンピューターグラフィックス映像はYoutubeで見たものとほぼ同じで、期待して
いたほど斬新ではなかったですね。

「葉は色あせて」 
ジュリー・ケント、コリー・スターンズ

久々のジュリー・ケントさまでしたが、あまり印象に残っていません。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 
イザベラ・ボイルストン、ホアキン・デ・ルース

これも悪くはなかったのですが、やはりあまり印象に残っていません。

「白鳥の湖」より グラン・アダージオ  
イリーナ・コレスニコワ、ウラジーミル・シショフ

コレスニコワを生で見るのは初めてなのですが、意外に肉感的なお体なので、妙に生々し
いオデットだと思いました。本人はかなり気持ちを入れ込んで踊っていたようなのですが、
ウリヤーナ・ロパートキナさまの「人間国宝」級の「オデット」を見た直後なので、あまり感じ
るものはありませんでした。ウィーン国立バレエ来日公演の時はプリンシパルにしては地
味だわね、と思ったシショフですが、今回は生き生きしていて、こちらは見直しました。

「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
ジュリー・ケント、ロベルト・ボッレ

生のボッレさんを見るのは何と2003年の世界バレエフェスティバル以来です。このお2人
は何回もこのパ・ド・ドゥを踊っているので、もちろん悪くはなかったのですが、今年の世界
バレエフェスティバルで見たマリア・アイシュヴァルト&マライン・ラドメーカーのテクニック
を越えたパ・ド・ドゥと比べてしまうとなあ、という感じでした。それとこの公演では普段座席
にしているオーケストラボックスまでステージにしてあり、この激しいパ・ド・ドゥを間近で見
ることになったのでこちらも妙に生々しく、「椿姫」の世界には浸れませんでした。演出かも
しれませんが、ボッレさんの息の荒さも気になりました。

「海賊」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
マリア・コチェトコワ、ダニール・シムキン

シムキンくんの定番と言ってもいい演目ですが、最終日にも関わらず、3連続540を披露
してくれました。コチェトコワは2009年の世界バレエフェスティバル以来ですが、変わらな
い強靱なテクニックに女性らしいやわらかさが加わっていて、この3年の進化を感じまし
た。

「雨」
イザベラ・ボイルストン、ダニール・シムキン

やはり今年の世界バレエフェスティバルでヤーナ・サレンコとシムキンくんが踊っていま
す。バレフェスの時は踊る2人にもっと強い光が真上から当たって、2人が輝くシルエット
のように見えたのですが、間近で見たせいかもしれませんが、今回は中途半端な照明で、
バレフェスの時のようなきれいなシルエットにはなっていませんでした。ボイルストンも悪く
はなかったけれど、バレエのレッスンの他にもジムで筋トレしていますというような、いかに
もアメリカ~ンな体操選手のような体型なので、あまり叙情性が感じられませんでした。

「ジゼル」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
マリア・コチェトコワ、ホアキン・デ・ルース

これはとってもよかったです。コチェトコワのアームスはもう少し改善の余地があると思い
ましたが、ジャンプはふわりと滞空時間が長く、本当にウィリのようでした。シムキンくんと
「ジゼル全幕」なんていうのも見てみたいです。ホアキン・デ・ルースはちょっと地味なアル
ブレヒトかなと思いましたが、美しく踊っていました。

「クルーエル・ワールド」
ジュリー・ケント、コリー・スターンズ

叙情的でいいなあとは思ったのですが、ガラの演目としてはインパクトが弱かったかなあ

「白鳥の湖」より 黒鳥のパ・ド・ドゥ
イリーナ・コレスニコワ、ウラジーミル・シショフ

コレスニコワの高速で力強いフェッテは感心しましたが、何だかわかりやすい表現の「オ
ディール」で、気品と美しさの中に底知れない邪悪さを感じさせるロパートキナさまの「オデ
ィール」との差を感じました。ああー、もう1回ロパさまの「白鳥」を見たいなー。お腹が痛く
て、と明日仕事をさぼったとしてもチケットは完売なんですよね。シショフは楽しそうに踊っ
ていて、見ていてなごみました。

「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
吉田都、ロベルト・ボッレ

座長を食ってしまうのでは、と思うほどすばらしかったです。都さまの「ロミジュリ」は2010
年のマックレー&ロイヤル・バレエとの共演以来ですが、かわいらしさ、ステップの軽やか
さは全く変わりませんね。マクミランの振付はもう都さまの言葉、感情そのものになってい
るようで、1つ1つのポーズ、ムーブメントから紡ぎ出される恋の喜びにこちらも高揚させら
れました。ボッレさんもそんな都さまに触発されたのか、自然にロミオの心境になっていた
ようで、この2人の「ロミジュリ」全幕をぜひ見たいと思いました。
おおー、そういえばミラノ・スカラ座バレエは来年9月に東京でマクミラン版「ロミオとジュリ
エット」を上演する予定ではありませんか。今のところ発表されている主役はアリーナ・コジ
ョカル&フリーデマン・フォーゲル、ナターリヤ・オシポワ&イワン・ワシーリエフだけです
が、ぜひ吉田都&ロベルト・ボッレも実現させてほしいです。

「レ・ブルジョワ」
ダニール・シムキン

この日はすでに3演目を踊っていますが、疲れを感じさせない軽やかなステップ、茶目っ
気の中にほのかに見える男っぽさ、この3年間のシムキンくんの成長、表現力の進化を感
じた演目でした。

「フィナーレ」
オープニングと同じようにシムキンくんの映像が写る沙幕の後ろを出演者が1組ずつ、そ
れぞれの演目を踊りながら通り過ぎるというフィナーレでした。沙幕が上がった後は普通
のカーテンコールでしたが、ステージの最前部にひとり進み出たシムキンくんには大きな
拍手が送られました。

正直に言ってしまうと、映像を使った演出は必ずしも成功とはいえないと思いますし、ガラ
としてはいまひとつでしたが、シムキンくんの進化、深化の定点観測としてまた3年後くらい
にぜひ企画してほしいと思います。
忙しいシムキンくん、なんと羽田から深夜便で帰国したようですが、1ヶ月お疲れ様でし
た。

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