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2012年12月 3日 (月)

マリインスキー・バレエ 2012年日本公演 「オールスター・ガラ」

「オールスター」というよりは若手お披露目ガラのようで、ちょっと物足りないところもありま
したが、楽しんできました。

2012年12月2日 東京文化会館

「レニングラード・シンフォーニー」

娘:スヴェトラーナ・イワーノワ
青年:イーゴリ・コールプ
侵略者:ミハイル・ベルディチェフスキー

第二次対戦中、ドイツ軍に包囲されていたレニングラード(現 サンクトペテルブルグ)の
人々を題材にしたバレエのようです。詳しいストーリーはプログラムになかったのですが、
恋人同士が愛を語らうレニングラードにドイツ軍が侵攻してきて若者たちは参戦、しかし若
者たちは次々にドイツ軍に捕らえられ、レニングラード解放と引き換えに命を落とす、若い
娘たちは嘆き悲しむが、また希望を見出して、前に歩いて行く、そんなストーリーのようで
した。実際に包囲戦を体験した人や体験を聞いて育った人はいろいろな思いを持って見
ることができると思いますが、戦争体験がなく、レニングラード包囲戦をよく知らない私は
やはりぴんとくるものはありませんでした。しかし戦争の悲惨さ、無意味さを忘れないため
にはこういう作品は踊り継がれていくべきものなのだと思います。そういう意味で言うと最
近の日本の右傾化は戦争の悲惨さ、無意味さ、平和のありがたさを忘れた結果なのかも
しれません。政治を「自己実現」のための道具と勘違いしている一部の政治家に煽られて
間違った選択をしないようにと声を大にして言いたいところです。ダメな政治、ダメな政治
家を生み出す要因のひとつがダメな有権者なのですから。


「アルレキナーダ」

ナデジダ・バトーエワ
アレクセイ・ティモフェーエフ

「サタネラ パ・ド・ドゥ」のような作品でした。悪くはなかったけど、2人ともあまり印象に残
りませんでした。


「グラン・パ・クラシック」

アナスタシア・ニキーチナ
ティムール・アスケロフ

ロイヤルブルーの衣装がきれいだわ、と思ったのですが、ニキーチナはあまり印象に残っ
ていません。11月20日の「白鳥の湖」でパ・ド・トロワを踊っていたアスケロフはとてもや
わらかく踊っていましたが、もう少しぴりっとしたところがあったほうが良かったかもしれま
せん。


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」

マリーヤ・シリンキナ
ウラジーミル・シクリャローフ

奥さんと踊れるのがうれしいのか、シクリャローフくん、なんかもうひとり舞い上がっている
感じでした。ヴァリエーションでは演奏のテンポが合わなかったようで、途中でジャンプや
振りを省略してプレパラシオンを長めに取ったりしていましたが、何をやってもまあいい
か、と許せる気持ちにさせるのがシクリャローフくんの持ち味でしょうか。でもねー、プリン
シパルですからね、次はおおー、すばらしい、と文句なく言える踊りを見せてほしいです。
シリンキナさんは音の取り方が正確でよく音楽に乗っていましたし、端正に美しく踊ってい
ました。度胸もすわっているようで、シクリャローフくんがサポートのミスをしても何事もなか
ったようにカバーしていましたし、コーダではむしろシクリャローフくんをリードするような感
じでした。シリンキナさん、派手さはないけど、今後に期待できそうです。シクリャローフく
ん、いい奥さんをもらいましたね。


「海賊」

オクサーナ・スコーリク
アンドレイ・エルマコフ

スコーリクはあまり印象に残りませんでしたが、エルマコフの美しく柔軟な上体とポール・
ド・ブラに魅了されました。ジャンプも高いし、空中での脚のポジションもとても美しく、これ
からも注目していきたいです。ただ、まだまだ緊張が強いようで、踊り始めなのに歯を食い
しばってすごい形相で踊っているのを見て笑ってしまいそうになりました。次は余裕の笑顔
の舞台を見たいです。


「ビギニング」

イーゴリ・コールプ

今年6月に初演されたばかりの演目です。コルプさんのがんばりは伝わってきましたが、
コルプさんの持ち味を生かせる振付にはなっていなかったと思います。良い振付家との出
会いがあるといいのですが。


「ディアナとアクティオン」

エレーナ・エフセーエワ
キム・キミン

エフセーエワはテクニックはあると思ったのですが、オーバーウェイト気味で、踊りは美しく
見えませんでした。キム・キミンは今年のユース・アメリカ・グランプリで優勝した韓国出身
のダンサーなのですが、長身で手脚が長く、頭が小さいという恵まれた体型の上にダイナ
ミック、かつ美しい踊りができる人でびっくりしました。連続トゥール・ザンレールなどピルエ
ットが得意なようですが、高速でピルエットをしながらアン・オーにした腕がとても美しく、客
席からは大きな拍手が起きました。正式団員ではないようですが、プログラム巻末の団員
リストではファースト・ソリストになっているので、マリインスキーでは高い評価を受けている
ようです。
人種の壁を乗り越えるのは大変だと思いますが、がんばってほしいです。


「パキータ」
<ソリスト>ウリヤーナ・ロパートキナ、ダニーラ・コルスンツェフ
<ヴァリエーション>
ダリア・ヴァスネツォーワ
スヴェトラーナ・イワーノワ
マリーヤ・シリンキナ
アナスタシア・ニキーチナ

去年だったか一昨年だったか、ネットで中継された演目です。グラン・パ、ソリストのヴァリ
エーション、グラン・パという形式の演目で、正直に言うとそれほど見応えのある演目では
ないのですが、ロパートキナさまの余裕の笑みと圧倒的なオーラを堪能してきました。3年
ぶりのコルスンツェフはちょっと太めになっていて、踊りは重いように感じたのですが、美し
いポール・ド・ブラを堪能しました。ロパさま以外のソリストの中ではやはりシリンキナが目
を引きました。

この3年の間にオブラスツォーワ、サラファーノフ、ロブーヒンと看板ダンサーが移籍し、テ
リョーシキナ、ソーモワは今回のツアーを降板、ヴィシニョーワはガラに出演せずに帰国、
というわけなのでチケットの価格相応のガラになっていなかった気もしますが、次は2015
年11月に来日するそうなので、次回はプリンシパルがずらりと居並ぶ充実した「オールス
ター・ガラ」になることを期待します。でも次回ロパさまはいないかも、と思うと今からしんみ
りしてしまいます。

今年のバレエ鑑賞はこの「オールスター・ガラ」が最後となります。「問わずがたり」として
書き始めたこのブログですが、なんと総アクセスが10万を越え、定期的にご訪問くださる
方も多く、感謝、感激の極みです。身分を隠して好き勝手なことを書いているので、ご不快
に思われる方も少なからずいらっしゃると思いますが、あくまで一素人バレエファンの「問
わずがたり」としてお許しいただければ幸いです。
今年のバレエ鑑賞の予定は終わりましたが、気になるニュースは随時アップしていきたい
と思います。

こちらに終演後の写真があります。
http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=212

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