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2013年5月27日 (月)

マラーホフの贈り物 ファイナル Bプロ 5/26

心温まるガラでした。

2013年5月26日 東京文化会館

「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ

Aプロと同じパ・ド・ドゥでしたが、22日に見たときよりもずっと2人の間に愛があり、星空を
模した背景の前で踊る2人は本当にすてきでした。


「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

こんな激しい第1幕のパ・ド・ドゥは初めてだぜぇ~、と思わず杉ちゃんになってしまいまし
た。この場面は初めてマルグリットの家に招かれたアルマンが愛を告白する場面なんです
が、アイシュヴァルトさまはそんなアルマンを半分からかいながら動揺するマルグリットの
気持ちを激しいピルエットで表現していて、アイシュヴァルトさまの無限大の表現力の高さ
を感じました。勢い余ってラドメーカーくんとぶつかったりしていましたが、それだけ2人とも
役柄に没頭しているんでしょうね。ラドメーカーくんは一途な思いを必死でマルグリットに伝
える純な青年という感じで、これが2幕、3幕とどう変化していくのか、ああこのまま全幕踊
ってよ、と真剣に思った2人のパ・ド・ドゥでした。


「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

これでボリショイのプリンシパルをやっていかれるのだろうか、Aプロで不安を覚えたチュ
ージンですが、この演目ではのっけから格調高さと威厳全開で、やっぱりフィーリンが引っ
張ってきただけのことはあるなあ、と思いました。スミルノワはまだまだ情感や格調高さを
あらわすまでにはいきませんが、それでも目立つミスは全くなく、堂々と踊っているところに
テクニックの確かさと度胸を感じました。22日はカーテンコールでも笑顔が見られません
でしたが、東京公演楽日のこの日は緊張も解けてきたのか笑顔が見られました。
ボリショイの衣装は初めて見たのですが、電飾でもつけているのか、と思うほどスパンコー
ル?が煌めいていました。


「レ・ブルジョワ」
振付:ヴェン・ファン・コーウェンベルク
音楽:ジャック・ブレル
ディヌ・タマズラカル

この日もやさぐれ感いっぱい、540も織り交ぜた軽快なジャンプいっぱいで、タマズラカル
の新しい魅力全開でした。セルゲイー・フィーリンのようなオールバックにしたちょっと長め
の髪型も似合っていますね。これからも時々日本に来てほしいなあ。


「ライト・レイン」
振付:ジェラルド・アルピノ
音楽:ダグ・アダムズ
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

2006年の「マラーホフの贈り物」でラカッラとシリル・ピエールが踊ったのを見ています。
あのときと全く変わらないラカッラの体のしなやかさとラインの美しさを堪能しました。ただ
現パートナー、ディノにはこの作品は合わないように思います。この作品はラカッラのしな
やかさだけではなく、男女2人の体が生み出す造形美が肝だと思うのですが、どちらかと
いうと小柄で華奢なラカッラと身長が190cmくらいあって胸板厚い逆三角形体型のディノ
の組み合わせだと、まるでディノがラカッラを操っているようで、造形美には至っていませ
んでした。あと前回と比べると照明が明るくて、官能的な感じが出ていなかったのも残念で
した。
ディノは肌色のタイツ1枚、という衣装だったのですが、カーテンコールの時の明るい照明
の下で見たら実に均整のとれた美しい体をしていて、びっくりしました。ポーズを取ったら
そのままミケランジェロ作「ダヴィデ像」になりそうで、眼福でございました。


「バレエ・インペリアル」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ
東京バレエ団

急遽踊ることになったせいか、サレンコはまだまだ振付が自分のものになっていない感じ
でしたが、それでもきっちり踊っていました。マラーホフ先生はやっぱり脚の状態がよくな
いのか、かなりジャンプは抑え気味に飛んでいるのがわかってしまい、しんみりしてしまい
ました。


「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

男を手玉にとる高級娼婦から一転してジュリエットになったアイシュヴァルトさま、ほんとに
初々しくかわいらしいジュリエットでした。ラドメーカーくんも翻すマントが格好いいロミオで
したが、毎回見るたびに思うのですが、役柄への没入度はもう一歩でした。
2人ともシュツットガルトのダンサーですから仕方がありませんが、クランコ版の「バルコニ
ー」はどうも見所が少ないように思うんですよね。ヌレエフ版やマクミラン版のほうがラドメ
ーカーくんの若さと情熱とテクニックが炸裂すると思いますし、見ている方も高揚させられ
ると思うのですが。


「タランテラ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク
ヤーナ・サレンコ、ディヌ・タマズラカル

3演目出演のサレンコはさすがにお疲れなのか、ちょっと音から遅れ気味でした。タマズラ
カルは盛り上げようと力強くタンバリンを叩いていたのですが、逆に軽快な感じを削いでし
まっていて、こちらもちょっと残念でした。


「椿姫」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
ピアノ:青柳 晋
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

ラカッラは黒髪をなびかせる無邪気なファム・ファタール、ディノはそんなマルグリットを信
奉する純朴な青年、という感じで、初恋の純粋さを感じさせるパ・ド・ドゥでした。ここでは2
人の体格差が生かされていて、難しいリフトをディノは難なくこなしていました。ディノのア
ルマンは情熱的なラドメーカーくんのアルマンと比べると物足りなく思う人もいるかもしれま
せんが、自分にひれ伏すマルグリットを見て、「愛しいマルグリット、そんなことをしないで
おくれ。」とでも言っているように首を横に振り、ラカッラ@マルグリットの髪をかき上げなが
ら優しく抱き起こすところはアルマンの思いの深さをあらわしているようで、ほんとにすてき
でした。これは実生活をともにする2人だからこそできる表現でしょうか。いつかこの2人
の全幕を見てみたいなあと思いました。
Aプロで初めてディノを見たときは、ラカッラさん、ずいぶん前とは違う人を選んだのねー、
と思いましたが、自分を引き立たせてくれる人を選んだところは同じですね。ラカッラさん、
「女の王道?」を行っていますね。見習いたいです。


「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

スミルノワは「ダイアモンド」同様ミスなく踊りきり、フェッテもシングルですが、大きなミスも
なく回りきっていました。やっぱり脚捌きや表現という点ではまだまだですが、じっくりレッス
ンを積んで、大輪の華を咲かせてほしいと思います。
男性ダンサーの見せ場はジュテになるわけですが、チュージンは股関節がやわらかいで
すね。180度以上脚が開いていました。ボリショイが子供向けに作った「 Moidodyr /
Wash'em clean 」という演目ではチュージンは役になりきって大活躍だったらしいですが、
演技力の高さを生かした演目をまた見せてほしいと思います


「ヴォヤージュ」
振付::レナート・ツァネラ 音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ウラジーミル・マラーホフ

出会いと別れ、悲しみと喜び、怒りと落胆、絶望と希望、マラーホフ先生がたどってきた旅
路が凝縮しているようでした。ただ不思議と見ている私は悲しみを感じず、最後に舞台袖
に去って行くマラーホフ先生にさわやかなものを感じました。

フィナーレは金の紙吹雪、色とりどりのテープ、「18年間マラーホフの贈り物を応援してい
ただきありがとうございました。」をいうメッセージボードが舞台上に掲げられ、客席はスタ
オベで幕を閉じました。マラーホフ先生はカーテンコールであの美しいジュテを2回も見せ
てくれました。
今後マラーホフ先生がどういう方向に進んでいくのかわかりませんが、なんか私はこれで
終わりという気がしません。またすてきな「贈り物」を届けてくれることを期待しています。

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