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2013年8月19日 (月)

ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界 Aプロ 

行って参りました、Aプロ。

2013年8月18日
五反田 ゆうぽうとホール

プロローグ
振付:マルセロ・ゴメス
出演者全員

おそらくバッハの曲だと思うのですが、女性はレオタードやユニタード、男性はレッスン着
のようなものを着て踊るコンテ風のオープニングでした。

「オテロ」
振付:ジョン・ノイマイヤー 
音楽:アルヴォ・ペルト
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

確か2009年の世界バレエフェスティバルでもこの2人が踊っていたと思いますが、今回
もどういう場面なのかよくわからず、ボァディンのセミヌードを堪能して終わってしまいまし
た。

「コッペリア」
振付:ミハイル・バリシニコフ 
音楽:レオ・ドリーブ
メラニー・ユレル マチアス・エイマン

メラニーはどちらかというと地味なダンサーなんですが、久しぶりに見た今回はしっとりとし
た女性らしさが加わっていて、とても素敵でした。もともとテクニックはしっかりした人なの
で、バランス技もきっちり決めていました。怪我の治療で2年近く舞台を離れていたマチア
スですが、バリエーションでは高いジャンプや細かい脚捌きを披露していました。ただサポ
ートの勘が戻っていないのか、メラニーと見交わすところではニッコリするのですが、それ
以外はかなり緊張した表情をしていました。来年の日本公演では余裕でバリバリ踊ってく
れることを期待します。

「失われた時を求めて」より "モレルとサン・ルー"
振付:ローラン・プティ 
音楽:ガブリエル・フォーレ
マルセロ・ゴメス デヴィッド・ホールバーグ

ゴメスがモレルで、ホールバーグがサン・ルーだろうと思うのですが、敢えて感情を表に出
さないゴメス@モレルにホールバーグ@サン・ルーが惑わされ、翻弄されている感じでし
た。そのホールバーグの惑わされぶりが真に迫っていて、見ていて喉が渇いてしまいまし
た。普段のゴメスは明るい人なんだろうと思うのですが、こういう作品で見せるうちに秘め
たほの暗い情念の表現は本当に優れていますね。ホールバーグはあのルックスですか
ら、どうしても王子役を期待する人が多いと思いますが、この人は絶対ドラマティク・バレエ
向きだと思うんですよね。確か来シーズン、ボリショイ・バレエはノイマイヤー先生の「椿
姫」を上演する予定だったと思いますが、ザハロワさんとの「椿姫」を期待したいです。
日本に来てから時々日本語でつぶやいているホールバーグさんですが、おからを賞味し、
銭湯を満喫し、次は何かしら、と思ったら、
「ショウの後のキリンビールは最高~」
だそうです。あはは、オヤジじゃん。次は「ホッピー」と「もつ焼き」に挑戦してください。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アシュレイ・ボーダー ホアキン・デ・ルース

バネの効いた体でパキパキと踊る2人の「チャイ・パ」は見ていてとても小気味よかったで
す。アシュレイ・ボーダーは初めて見たのですが、挑戦的かつ魅惑的で、Bプロではどんな
姿を見せてくれるのか楽しみです。デ・ルースは膝を悪くしたということで、後半の「ドン・キ
ホーテ」はキャンセルしましたが、ピルエットをしながら軸足でジャンプしたりと、目一杯テク
ニックを見せてくれました。


「ダイアローグ」
振付:ジョン・ノイマイヤー 
音楽:フェデリコ・モンポウ(「ショパンの主題による変奏曲」)
ディアナ・ヴィシニョーワ ティアゴ・ボァディン
ピアノ演奏:アレクセイ・ゴリボル

言葉を使わず、身体言語のみで交わす「ダイアローグ」の最高峰と言っていいでしょう。舞
台上で身を削りながら交わす2人の「会話」は時に絶望感を滲ませて、見ていて苦しくなっ
たのですが、ぎこちないながらも最後は寄り添う2人にほっとしました。
この作品はヴィシニョーワさんに振り付けられたものですが、おそらくダンサーによって無
限の会話が生まれていくのではないでしょうか。まずはアッツォーニ&リアブコ夫妻の「ダ
イアローグ」を見てみたいです。
カーテンコールでは初日に続いてノイマイヤー先生がお出ましになったのですが、変わら
ないエネルギッシュな姿を見て安心しました。

「フーケアーズ」
振付:ジョージ・バランシーン
音楽:ジョージ・ガーシュイン
アシュレイ・ボーダー

デ・ルースの故障で急遽この「フーケアーズ」になりましたが、ボーダーは茶目っ気たっぷ
りに踊っていました。この作品は2004年の「マニュエル・ルグリと輝ける仲間たち」で初め
て見て好きになった作品なのですが、なぜかその後は見る機会がありません。とてもガラ
向きな作品なのに。

「マンフレッド」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マチアス・エイマン

バイロンに興味を持ったヌレエフの作品で、ヌレエフ自身も踊っているそうです。マチアス
の腕の動きがとても美しくてよかったのですが、これだったらメラニーと「ラ・シルフィード」
を踊ってほしかったなあ、というのが正直なところです。苦悩の表現なのか、最後は舞台
の上をごろごろとかなりのスピードで転がるのですが、客席に落ちはしないかと冷や冷や
しました。

「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ デヴィッド・ホールバーグ

麗しい2人の麗しい「ダイヤモンド」だったのですが、ブシェの踊り方とホールバーグの踊り
方が全く違い、しかもどちらも譲らず、何とも不思議な「ダイヤモンド」でした。でも最後はホ
ールバーグが負けたのか、ブシェに向けるまなざしが「手に入らない憧れの女性」に向け
るまなざしになり、ホールバーグさんたら正直ね、とこちらもニンマリしてしまいました。


「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ マルセロ・ゴメス

何て言ったらいいのかなあ、ここまでプライドを捨てた哀れなオネーギンは初めてで、見て
いてちょっとつらくなりました。意図的に演出したわけではないと思いますが、オールバック
にしたゴメス@オネーギンの髪の毛がはらはらと顔にかかるところはいっそうみすぼらし
く、全幕通して見たら気が滅入ってしまうかも、と思いました。ヴィシニョーワ@タチヤーナ
はそんなオネーギンを見て動揺し、葛藤しますが、きっと朝には元気になってるわよね、と
いう感じで、あくまでヴィシニョーワさんでした。テクニック的にはとても難しいパ・ド・ドゥで
すがもう完璧で、ヴィシニョーワさんの今のベストパートナーはやっぱりゴメスさんだわね
ー、と思いました。この2人は来年のアメリカン・バレエ・シアター日本公演で「マノン」を踊
ることになっていますが、どんなドラマを見せてくれるのか今から楽しみです。

フィナーレ
モダンな感じのアルゼンチンタンゴ?に乗せたフィナーレはとても楽しいうきうきした感じ
で、客席からは歓声が上がりました。Bプロは出演者が増えますから、振付を変えてくるか
もしれませんね。

21日からは上野水香、ルイジ・ボニーノ、イーゴリ・コルプが加わってBプロが始まります
が、とっても楽しみです。

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