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2014年2月 8日 (土)

エレーヌ・ブシェ&ティアゴ・ボァディン主演 東京バレエ団 「ロミオとジュリエット」

ブシェ&ボァディン、完全燃焼でした。

2014年2月7日 東京文化会館

主な配役

ロミオ:ティアゴ・ボァディン(ハンブルク・バレエ)
ジュリエット:エレーヌ・ブシェ(ハンブルク・バレエ)
ロザリンデ:渡辺理恵
マキューシオ:木村和夫
ベンヴォーリオ:杉山雄一
ティボルト:森川茉央

詳しくはこちら
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cat19/post-489.html#001872

振付:ジョン・ノイマイヤー
指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

うーむ、どこから書けばいいのか迷うところですが、この日のMVPは文句なくボァディンで
しょう。踊りの切れが良くて美しいだけではなく、過去への囚われもなければ未来への執着
もない正に「今を生きる若者」のエネルギーと疾走感を圧倒的なリアリティーで表現してい
て秀逸でした。
ブシェもとても良かったとは思うのですが、ちょっとボァディンとは方向性がずれているとい
うか、感情の盛り上がりのタイミングがずれているように見え、前半のハイライト「バルコ
ニーのパ・ド・ドゥ」で恋の喜びと高揚感を全身で表現するボァディン@ロミオに対してブ
シェ@ジュリエットはどこか一歩引いているように見えて、残念でした。

プログラムによるとノイマイヤー先生は「積極性と消極性」「無垢と経験の対比」を重要視し
ていて、「ロミオは愛により『鎧を脱ぎ』、ジュリエットは積極的になる術を知る。」ことを表現
したようです。確かにロミオと一夜を過ごしたあとのブシェ@ジュリエットはパリスとの結婚
を迫る両親に反抗し、はっきりと意思を示すジュリエットだったので、「バルコニーのパ・ド・
ドゥ」でのジュリエットはまだ恋とは何なのかもわからず、ましてや自分の人生を自分で選
ぶなどとは思いもよらない「受け身のジュリエット」とブシェは解釈しているのかもしれませ
んが。

踊り終わった2人はすべてを出し切ったという感じで放心状態でしたが、やっぱりブシェと
ボァディンの方向性が違うというか、あまりシンクロしていなかったと思うので、私としては
不全感が残りました。スタオベが少なかったのは私と同じ感想を持った人が多かったから
でしょうか。実際はわかりませんが、ジュリエットがナターリヤ・オシポワだったらボァディン
と同じ疾走感で踊り抜いたのでは、と思ったりします。

東京バレエ団の面々ですが、テクニック的には何の問題もなかったと思うのですが、やっ
ぱりドラマ作りが課題ですね。ロミオとジュリエットの運命を暗示し、ドラマに陰影をもたらす
役目を持っている旅芸人一座が演じる劇中劇があるのですが、これが残念なことに旅芸
人一座が演じる「ただのお芝居」になっていてまったく役目を果たしていませんでした。当
然振付指導の人から劇中劇の意味や役割について聞いているはずだと思うのですが。配
役表を見ると、旅芸人の一座にはそこそこ活躍しているダンサーがキャスティングされてい
ますが、手堅く踊れるダンサーが退団してしまった影響は大きいと思いました。唯一良かっ
たのはマキューシオ役の木村和夫氏で、端正な踊りと役どころを押さえた表現に感心しま
した。さすがプリンシパルですね。

というわけで、東京バレエ団の面々の今後の精進を期待するとともに、ハンブルク・バレエ
団の日本公演を強く期待します。中国まで来てるんだから、日本まで足を延ばしてくれても
いいのに。

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