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2014年3月30日 (日)

パリ・オペラ座バレエ 2014年日本公演 「椿姫」 アニエス・ルテステュ&ステファン・ビュヨン主演 3/23

私のとっての「マルグリット」は、やはりアニエスでした。

2014年3月23日 東京文化会館

「椿姫」
プロローグ付 全3幕

アレクサンドル・デュマ・フィスの小説に基づく

音楽:フレデリック・ショパン
振付・演出:ジョン・ノイマイヤー(1978年)
美術・衣装:ユルゲン・ローゼ
照明:ロルフ・ヴァルター

主な配役

マルグリット:アニエス・ルテステュ
アルマン:ステファン・ビュリョン
デュヴァル氏(アルマンの父):ミカエル・ドナールゲスト・エトワール)

マノン・レスコー:ローラ・エッケ
デ・グリュー:ヴァンサン・シャイエ

プリュダンス:サブリナ・マレム
ガストン:クリストフ・デュケンヌ
オランプ:レオノール・ボラック
公爵:ローラン・ノヴィ
N伯爵:シモン・ヴァラストロ
ナニーナ(マルグリットの侍女):クリスティーヌ・ペルツェー

演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮:ジェームズ・タグル
ピアノ:エマニュエル・ストロセール、フレデリック・ヴェス=クニテール

「高級娼婦」についての正しい知識がないので間違っているかもしれませんが、「プロの愛
人」と言ってもいいのかもしれません。知性と美貌で地位も名誉もそれなりの教養もある男
性方を虜にするのですから、本能のおもむくままに行動していては務まらなかったでしょ
う。惚れさせても惚れない、決して自分の本心、ましてや孤独感などは露ほども見せなかっ
たに違いありません。アニエスは私が抱くこの高級娼婦のイメージにぴったりで、美しく誇
り高い孤高の人でした。対するステファン@アルマンもなかなか人に心を開くことができ
ず、常に孤独感を抱えたアルマンで、マルグリットとアルマン、2つの孤独が運命的に出
会って、そして悲劇的な別れをする、そういう物語に思えました。
2年前の世界バレエフェスティバルでアニエスを見たときはテクニック面に不安を覚えたの
ですが、今回はそんな不安はみじんも感じさせず、エトワールの華と実力を存分に見せて
くれました。
ステファンのアルマンはあまり評判良くないようですけど、彼なりに考えたであろう表現が
随所にあって、ヴァリエテ座で初めてマルグリットと出会って見つめあうところはアニエスと
の間に電流が走っていましたし、「黒のパ・ド・ドゥ」でマルグリットのコートを受け取って一
瞬でしたが愛おしそうにコートを抱きしめるところとか、第3幕でマルグリットにお金を渡す
シーンで、お金を渡した瞬間に後悔に苛まれるところなんか、「あー、アルマンくん、わざと
意地悪をして無理に自分の気持ちにけりをつけようとしたのね。」と見ていてほろりとしてし
まいました。ステファンは時々ドキっとするほど真に迫った表現をするのですが、こういう表
現が5階席まで届いたかというとちょっと難しかったかなあ。もったいないです。
初演時もビデオ撮りの時もアニエス&エルヴェ・モローという組み合わせの予定だったの
で、この2人の「椿姫」を見たかったという気もするのですが、「孤独と孤独の出会いと別
れ」が「椿姫」のテーマなのだとしたら、今はアニエス&ステファンの組み合わせが正しい
組み合わせのように思います。

楽日のこの日はお約束の金の紙吹雪が舞い、「SAYONARA」「See you again」の電飾、
パリ・オペラ座のロゴマークが降りてきました。何回目かのカーテンコールでNBSの男性
職員が「アニエス、たくさんの感動をありがとう!」と日本語とフランス語で書かれた長さ4
~5メートルはありそうな横断幕を持って登場し、拍手は一層大きくなりました。「なにな
に?」という感じで横断幕を覗き込みに来たアニエスはとってもかわいかったです。
昨年10月にアデュー公演をしたアニエスですが、まだまだ舞台には立つ予定ということ
で、ダンソマニさんよれば、今年5~6月にパリで公演されるプログラム「バランシン/ミル
ピエ」の「水晶宮」に出演するそうです。「バランシン/ミルピエ」は今年9月に「ライブビュー
イング」として日本でも公開される予定なのでまたアニエスの踊りを見ることができれば、と
思います。

年度末の忙しさもあって、だいぶ私のテンションも平常に戻りましたが、でもやはり切ない
感じは残っています。バレエ公演は花火と同じで、ぱっと美しく咲くけれど同じ公演は2度と
ありません。瞬間瞬間のかけがえのなさをいつも教えられるように思います。この瞬間の
ために努力を続けるバレエダンサーのみなさんを心から尊敬します。

こちらにカーテンコールの写真があります。
https://twitter.com/NBS_japan/status/448097466089353216/photo/1

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