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2014年8月 5日 (火)

「エトワール・ガラ 2014」 Bプロ 8/1

順番が逆になりましたが、先に見たBプロをご報告。

2014年8月1日 オーチャードホール

「眠れる森の美女」よりハイライト
振付:ルドルフ・ヌレエフ 音楽:P.I.チャイコフスキー

「ローズ・アダジオ」
ドロテ・ジルベール、バンジャマン・ペッシュ、アレクサンドル・リアブコ、エルヴェ・モロー、
福田昂平(Kバレエ カンパニー)

産休明けのドロテは出産前よりかなり細くなっていましたが、決してやつれた感じはなく、と
ても華やかなオーロラ姫でした。アティテュードでは4人目の王子の手は取らずにバランス
を取っていて、この間のアリーナ・コジョカルさんといい勝負をしていたと思います。
求婚者たちは普段ならこの役は踊らないエトワール、プリンシパルの面々とK・バレエのダ
ンサーでしたが、エルヴェの匂い立つような王子振りにひとり舞い上がりました。チャコット 
ダンスキューブのインタビューで読んだのですが、なんとエルヴェは「眠り」を踊ったことが
ないんだそうです。何かの機会に彼の「眠り」を見ることができればいいのですが。

「ローズアダジオのバリエーション」
ローラ:エケ

ローラ・エケは悪くはなかったけど、あまりアピールするものがなかったかな。彼女は長身
のクールビューティーでテクニックもしっかりしていると思うので、もう少し客席に届くものが
あればいいのですが。

「第2幕の王子のヴァリエーション」
オードリック・ベザール

王子のヴァリエーションというと、マニュエル・ルグリ先生という永久不滅の理想型がある
ので、どうしても点が辛くなってしまいますが、ベザールもよく踊りこなしていたと思います。
アームスはもう少し美しさがほしいと思ったのですが、シャープだけどやわらかい脚捌きに
魅了されました。あとは王子の情感が自然にあふれるようになればますますよいと思いま
す。

「第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ」
アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ

ヴァリエーションはきちんと踊れていたと思いますが、合わせる時間が少なかったのか、ア
ダージョとコーダでは、マチューがかなりアルビッソンをフォローしている感じでした。
アダージョでは3連続フィッシュダイブがあるのですが、アルビッソンの立ち位置が悪かっ
たのか2回目のフィッシュダイブは危うく失敗するところで、これをすばやくフォローしたマ
チューに拍手でした。エトワール10年の実績でしょうか。

「デジール」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:アレクサンドル・スクリャービン 
シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ
ピアノ:金子三勇士

ピアノを弾いた金子三勇士さんもツイッターで絶賛していましたが、2人のハーモニーの美
しさに唯々見とれていました。もうこれ以上表現のしようがありません。あ~、早くハンブル
ク・バレエ、日本に来てくれないかなあ。

「モペイ」
振付:マルコ・ゲッケ 音楽:C.P.E. バッハ 
フリーデマン・フォーゲル 

ちょっと痩せたかしら、と思いましたが、フォーゲルくんの美しい筋肉を堪能しました。彼の
全幕物は・・・・・なんですが、この人も神様に選ばれた一人ですね。

「ル・パルク」より 解放のパ・ド・ドゥ
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:W.A.モーツァルト
イザベル・シアラヴォラ&バンジャマン・ペッシュ

いや~、よかったです。ねっとりと絡みつくようなシアラヴォラの表現を見て、なんか「女の
業」を感じてしまいました。2004年の「ルグリと輝ける仲間たち」公演でオレリー・デュポン
とローラン・イレールの「解放のパ・ド・ドゥ」を見たことがあるのですが、あのときと同じでシ
アラヴォラ&ペッシュ組も「年の差不倫カップル」のよう。ペッシュくんのどこか青臭い雰囲
気がシアラヴォラの「女の業」を際立たせているようで、いやいや良いものを見ました。

「こうもり」より 
振付:ローラン・プティ 音楽:ヨハン・.シュトラウスⅡ世 
アマンディーヌ・アルビッソン&エルヴェ・モロー

このパ・ド・ドゥは全幕を見たときに何回か見ていますが、あまり好きではないので、ちょっ
と残念でした。アルビッソンは自信を取り戻したベラを良く表現していたと思いますが、エル
ヴェは自分の妻とは知らずに夢中になっている様子があまり感じられなかったように思い
ます。

「牧神の午後」
振付:ヴァーツラフ・ニジンスキー 音楽:クロード・ドビュッシー 
バンジャマン・ペッシュ&ローラ・エケ

 
これはもったいない、の一言です。エケのニンフも神々しさと猥雑さが入り交じったペッシュ
の牧神もとても良かったと思うのですが、やっぱりこの演目を2人でやってはいけません。
K・バレエからニンフのお付きを調達してフルバーションを上演すべきだったと思います。い
つかリベンジしてほしいです。

「牧神の午後」
振付:ジェローム・ロビンズ 音楽:クロード・ドビュッシー 
アマンディーヌ・アルビッソン&エルヴェ・モロー

以前の記事でエレオノーラ・アバニャートとエルヴェ・モローの「牧神」の動画をご紹介しま
したが、わたし的にはアルビッソン&エルヴェ組の方が数段良いと思いました。エレオノー
ラはかなり感情をはっきりあらわす生身のダンサーでしたが、アルビッソンは常に「モナ・リ
ザ」のような謎の微笑を浮かべていて、この人は実在する人? それとも牧神エルヴェの
白昼夢? と観客の想像をかき立てるような表現で、正に「牧神の午後」だったと思いま
す。エルヴェの物憂げな表情にも萌えました。

「シェリ」
振付:ローラン・プティ 音楽:フランシスプーランク
イザベル・シアラヴォラ&マチュー・ガニオ

あまり別れを予感させる雰囲気ではありませんでしたが、元高級娼婦と年の離れた愛人と
いう設定にはぴったりの組み合わせだったと思います。寝室の場面なので仕方がありませ
んが、白の長袖ヘンリーネックシャツ、白の短パン、白の靴下、黒の革靴、というマチュー
の衣装は「罰ゲーム」のようでした。

「お気に召すまま」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:W.A.モーツァルト
シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

2人のラブラブな雰囲気は良かったのですが、やっぱり「シルヴィア」第2幕のパ・ド・ドゥを
踊ってほしかった、としつこく思います。

「アモヴェオ」
振付:バンジャマン・ミルピエ 音楽:フィリップ・グラス
ドロテ・ジルベール&オードリック・ベザール

コンテなんですが、決して視線を合わせず、何かを狙い、そして何かにおびえるような2人
の野性的な視線がとても印象に残りました。ミルピエの作品はこの「アモヴェオ」と「ダフニ
スとクロエ」しか見たことはありませんが、けっこう私の好みに合うかも。

「椿姫」より 黒のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン 
イザベル・シアラヴォラ&フリーデマン・フォーゲル

3月にシアラヴォラ&マチューの「黒のパ・ド・ドゥ」を見ていますが、こちらの方がシアラ
ヴォラの情感が自然に表現されていて、ずっと良かったように思います。フォーゲルくんの
アルマンはネットで見ると評判が悪いようですが、内に感情を秘めている「純情木訥系」
の表現もけっこう好きなんですよね。細かい仕草や表情でちゃんとアルマンの心情をあら
わしているのですが、細かいところが見えない後方とか上階の客席には届かないかもしれ
ませんね。

昨日の大阪公演で全日程が終了し、ダンサーの皆さんは機上の人だと思いますが、日本
のバレエファンの鑑賞眼を信頼して粋なプログラムを組んでくれることを本当にうれしく思
います。良かったわ~、と言いながら結構ひどい感想を書いていますが、もちろん次回も
とっても期待していま~す。

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