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2014年8月 4日 (月)

「エトワール・ガラ 2014」 Aプロ 8/3

楽しんできました。まずは楽日のAプロからご報告。

2014年8月3日 オーチャードホール

「ジュエルズ」より ダイアモンド
ローラ・エケ オドリック・ベザール

2007年の「ルグリと輝ける仲間たち ファイナル」でもこの2人は「ダイアモンド」を踊って
いますが、いや~、進化しましたね。2人ともガチガチに緊張していたのが懐かしいです。
もちろんおととしの世界バレエフェスティバルでウリヤーナ・ロパートキナさま&マルセロ・
ゴメスが踊った「ダイアモンド」と比べると、というのはありますが、雰囲気の作り方とライン
の美しさは合格点です。エケはプルミエに上がってもよさそうなのねー。コンクールでは実
力を発揮できないのでしょうか。

「マノン」 第1幕より デ・グリューのヴァリエーションとパ・ド・ドゥ
イザベル・シアラヴォラ フリーデマン・フォーゲル

今までは「マノン」というと「寝室」か「沼地」のパ・ド・ドゥが定番でしたが、このパ・ド・ドゥが
ガラの演目になることも増えてきましたね。シアラヴォラはどうしても「大人の女」に見えて
しまうので、「無自覚なファム・ファタール」という感じはしませんでしたが、フォーゲルくんと
の相性はいいようで、このあとの悲劇など思いもよらない2人の「恋の予感と喜び」あふれ
るパ・ド・ドゥでした。

「白鳥の湖」 第2幕より アダージョとヴァリエーション
アマンディーヌ・アルビッソン マチュー・ガニオ

Bプロで見たアルビッソンの「オーロラ姫」がいまひとつだったので、あまり期待はしていな
かったのですが、「予想外割り」ならぬ「予想外増し」でした。アルビッソンはどちらかという
とファニーフェイスなので、硬質さが求められる「オデット」を表現できるんだろうかと思った
のですが、白鳥にされてしまった悲しみとジークフリードに惹かれながらも心を開き切れな
い葛藤をよく表現できていたと思います。アームスはもう少し改善の余地ありかな。
この演目は私が勝手に「王子 憂うつのソロ」と呼んでいる第1幕の王子のヴァリエーショ
ンから始まったのですが、マチューは正確なテクニックとラインの美しさを見せていました。
でもなんか伝わってくるものがないんですよね。決して手を抜いているとか、事務的に踊っ
ているとも思いませんが、何でだろう。

「マーラー交響曲第3番」より
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ

敬愛するノイマイヤー先生の作品なんですが、ノイマイヤー先生のプロットレス・バレエを
理解できるだけの鑑賞眼が私にはなく、作品の世界に入り込めないまま終わってしまいま
した。もちろんこの2人の高度なテクニックと美しさ、パートナーシップには脱帽、なのです
が、前回の続きとして「シルヴィア」第2幕のパ・ド・ドゥを踊ってほしかった、というのが正直
なところです。

「3つの前奏曲」
ドロテ・ジルベール オドリック・ベザール

「3つの前奏曲」というタイトルのように3部構成なのですが、初めは2人がバーを挟んで
バーレッスンのような形で踊り、2曲目以降はバーを取り除いてのパ・ド・ドゥでした。男女
の関係が徐々に深まっていく光景、と言っていいのかわかりませんが、2人がバーを挟ん
で踊っているパートは一線を越えそうで越えられない男女の葛藤、そのあとは徐々に2人
が心を開き、愛を深めていくように見えて、なかなかドラマティックでした。ドロテはこういう
プロットレスだけどドラマを感じさせる作品が合いますね。
ベザールも難しいリフトをなんなくこなし、踊りも美しかったのですが、白いユニタード姿は
どうしても「フレディ・マーキュリー」に見えてしまいました。ベザールのせいではなく、こちら
の問題ですが。
ドロテはこの衣装でダンスマガジンの表紙写真を撮影していて、ドロテのツイッターに写真
があります。
https://twitter.com/DorotheGilbert

「月の光」
エルヴェ・モロー

イリ・ブベニチェクがエルヴェ・モローに振り付けた作品ということで、とても期待していたの
ですが、わたし的には残念の一言です。ブベニチェクはいつも曲想に合った振付をするの
ですが、とても合っているとは思えませんでしたし、「優雅さと硬質さ」というエルヴェの魅力
を生かせているとも思えませんでした。もしかしたら今年3月の「椿姫」でエルヴェが見せた
「秘めた情熱」を引き出したかったのかもしれませんが。

オネーギン」より 鏡のパ・ド・ドゥ
アマンディーヌ・アルビッソン フリーデマン・フォーゲル

アルビッソンはタチヤーナを踊ってエトワールに任命されていますが、恋に恋する少女の
無邪気な夢をよく表現していて、なるほどねー、と思わせる好演でした。普段は一緒に踊っ
ていないペアなので、リフトの時にタイミングを計っているのが見えてしまいましたが、あの
難しいリフトをよくこなしていて流れるように踊ってはいたので、十分合格点をあげられると
思います。
フォーゲルくんの「オネーギン」の表現ですが、「鏡のパ・ド・ドゥ」なら許されるかなと思いま
す。フォーゲルくんが公式サイトで発表しているのでご存じの方も多いと思いますが、この
秋にタイ、シンガポールで行われるシュツットガルト・バレエの公演で、ついにフォーゲルく
んは「オネーギン役デビュー」を果たすそうです。
http://friedemannvogel.com/news/

いつかはこういう日が来るとは思っていましたが、いよいよですか。シュツットガルト・バレ
エは来年日本で「オネーギン」を上演する予定ですが、フォーゲルくんが日本で「オネーギ
ン役」を踊る確率は高くなりましたね。フォーゲルくんの全幕物はいつも・・・・・なので、彼が
「オネーギン役」の公演を見に行くかどうか大いに考えるところですが、きっと見に行ってし
まうでしょう。でもこれって、・・・・・な男に毎回「これが最後よ。」と言って、ついついお金を
渡してしまう・・・・・な女の心理と似てなくもない・・・。まあいいや。

「アルルの女」
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ

私にとっての「アルルの女」はマニュエル・ルグリ先生が基準なので、これも評価が厳しい
のですが、リアブコ夫妻の「アルルの女」はこれに勝るとも劣らない本当にすばらしいパ
フォーマンスでした。「アルルの女」の幻影に囚われて徐々に正気を失っていくフレデリをリ
アブコさんはこちらが息を詰めてしまうほど濃密に表現していましたし、徐々にフレデリの
心が自分から離れていくことを悟ったヴィヴィエットの悲しみをアッツォーニは繊細に表現
し、抜粋上演なのが本当にもったいなかったです。この2人はこのガラのために初めて「ア
ルルの女」に挑戦したそうですが、日本の観客は本当に幸せです。
でもねー、何とかしてよーと思ったのは観客の拍手のタイミング。クライマックスのマネー
ジュのところで決して少なくない拍手が起きたときは頭を抱えそうになりました。「バレエは
フィギュア・スケートではありません!!」と声を大にして言いたいところです。

「イン・ザ・ナイト」
イザベル・シアラヴォラ バンジャマン・ペッシュ
ドロテ・ジルベール マチュー・ガニオ
ローラ・エケ エルヴェ・モロー

この作品の肝は3番目のパ・ド・ドゥだと思うのですが、いや~、エケ&エルヴェが紡ぎ出
す男女の機微、感情の絡み合いの表現はフランス映画を見ているようで、とってもしびれ
ました。申し訳ないけど、あとの2組はちょっと影が薄かったような。
コール・ドの中では目立つけど、ピンで踊るといまひとつだったエケも表現力を上げました
ね。エケ&エルヴェはヴィジュアル的に合うと思うので、来年オレリー・デュポンがアデュー
したあとは、ぜひエケがエルヴェの常任パートナー?になれるようにがんばってほしいで
す。

フィナーレはBプロと同じく陽気なマンボが流れ、ダンサーたちは思い思いにレヴェランス。
エトワール・ガラといえば楽日の趣向が毎回楽しみなのですが、今回は楽屋脇の扉から客
席に入ってきたダンサーたちが通路を練り歩く、というものでした。でもここでも不届き者の
おっさんがいて、客席通路から舞台に上がろうとしているダンサーたちに握手を求めて突
進したので、ペッシュくんの顔は一瞬凍り付いていました。そんなハプニングもあったので
すが、4回目のエトワール・ガラ東京公演は拍手拍手とスタオベで終わりました。
次のエトワール・ガラは早くても2年後かなと思いますが、メンバーもすばらしく、演目も毎
回とても洗練されているので、5回目も熱烈にお待ち申し上げております。

ドロテ・ジルベールのパートナー、James Bort氏のサイトにはすてきな写真がたくさん載っ
ています。
http://www.jamesbort.com/2014/08/danse-etoile-gala-japan/

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