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2014年11月25日 (火)

ボリショイ・バレエ 2014年日本公演 「白鳥の湖」 11/24

やっぱりザハロワ&ホールバーグで見たかった、というのが正直なところですが、楽しんで
きました。

2014年11月24日 オーチャード・ホール

振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ、
   アレクサンドル・ゴールスキー、ユーリー・グリゴローヴィチ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本・演出:ユーリー・グリゴローヴィチ
美術:シモン・ヴィルサラーゼ
照明:ミハイル・ソロコフ
音楽監督・共同制作:パーヴェル・ソローキン
指揮:パーヴェル・ソローキン
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

主な配役
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子:デニス・ロヂキン
王妃(王子の母):クリスティーナ・カラショーワ
悪魔ロットバルト:アルテミー・ベリャコフ
王子の家庭教師:ヴィタリー・ビクティミロフ
道化:デニス・メドヴェージェフ
王子の友人たち:アンナ・ニクーリナ、クリスティーナ・クレトワ
儀典長:アレクサンドル・ファジェーチェフ
花嫁候補たち 
ハンガリー:アナ・トゥラザシヴィリ
ロシア:アンナ・レベツカヤ
スペイン:アンナ・チホミロワ
ナポリ:ダリア・コフロワ
ポーランド:マリーヤ・セメニャチェンコ
3羽の白鳥:アンジェリーナ・カルポワ、オルガ・マルチェンコワ、
                アナ・トゥラザシヴィリ
4羽の白鳥:ユリア・ルンキナ、アンナ・ヴォロンコワ、スヴェトラーナ・パヴロワ、
                 マルガリータ・シュライネル
ワルツ:アンナ・レベツカヤ、ネッリ・コバヒーゼ、アンジェリーナ・カルポワ、
           ヤニーナ・パリエンコ、ミハイル・クリュチコフ、イワン・アレクセーエフ、 
       ドミトリー・エフレーモフ、クリム・エフィーモフ


ザハロワさんの「白鳥」を見るのはアンドレイ・ウヴァーロフと踊った2008年以来6年ぶり
だと思うのですが、やっぱり美しい佇まい、硬質で透明感のあるポーズ、ムーブメントは他
のダンサーの追随を許さないと思いました。1幕のオデットはちょっとオーラ不足かなと
思ったのですが、2幕のオディールはウリヤーナ・ロパートキナさまのオディールとはまた
違った美貌の下の「野心」が見え隠れするオディールで、蠱惑的に実に楽しそうに踊ってい
るのがとても印象的でした。こんな楽しそうなザハロワさんを見るのは初めてかも。フェッテ
は全部シングルでまとめていましたが、回転軸はほとんどぶれず、正確な高速回転に客席
は大拍手でした。ザハロワさん自身も大満足だったのか、いつになく長いカーテンコール
で、となりのロジキンは少々戸惑っているようにも見えました。

ロジキンは先日20日だけではなく、モスクワでもザハロワさんと「白鳥」を踊っています
が、まだ緊張が抜けないのか、ちょっと表情は硬めで、オデットと引き離される2幕のラスト
あたりでようやく王子の自然な情感が出てきたかな、という感じでした。
というわけなので、1幕のオデットとのパ・ド・ドゥはちょっと情感に欠けていて、引き込まれ
るまでにはいきませんでした。このグリゴローヴィッチ版はヌレエフ版と同じく王子の心理
面にスポットを当てた演出だと思うのですが、そのへんの表現もまだまだかな。
プログラムによると、ロジキンはグジェリという民族舞踊学校の出身で、入団したときは「君
のキャリアはコール・ド・バレエで終わるけどいいか?」と聞かれたそうなのですが、師事し
たニコライ・ツィスカリーゼに「王子も踊れる体型をしているからがんばれ。」と励まされたの
だそうです。背が高く、思ったよりも王子オーラがありますし、テクニックもしっかりしている
ので、あとは経験でしょうか。ただ股関節が硬いのか、のびやかさが少々足りず、時に踊り
が重く見えてしまうのが残念です。サポートももう一息というところで、時々もたついていた
のですが、それを見た指揮のソローキンさんはさっと演奏を合わせてカバーしていて、美し
きチームワークも垣間見ました。

ラントラートフの代役としてロットバルトを踊ったベリャコフはキャラが立つとまではいきませ
んでしたが、ばねのある体で美しいジャンプとピルエットを披露し、大拍手をもらっていまし
た。彼も期待の若手ですね。

道化のメドヴェージェフも高速ピルエット・ア・ラ・スゴンドで拍手をもらっていましたが、もう
ちょっとトリックスター的な怪しさがあってもよかったかもしれません。

グリゴローヴィチ版2幕のディヴェルティスマンというと「スペインボーイズ」が楽しみなわ
けですが、今回の「スペインボーイズ」はラントラートフやカリム・アブドゥーリン(← 彼はど
うしているんでしょうか?)ほどのインパクトは感じられなかったので残念でした。そのほか
目を引いたのは「ポーランドの踊り」を踊ったマリーヤ・セメニャチェンコでしょうか。久しぶり
にネッリ・コバヒーゼも見ましたが、変わらず美しいですね。彼女はもっと上に行く人だと
思っていたので、まだソリスト止まりなのは残念です。

白鳥のコール・ドも悪くはなかったのですが、正面から見たときに腕が「千手観音」並みに
合わないことがあり、おおー、美しい、とまではいきませんでした。

いや~、でもやっぱりボリショイ・バレエは全体的にレベルが高く、すばらしいです。これで
ホールバーグさん、ラントラートフが予定通りに出演していたら、あまりの美しさに気を失う
舞台になっていたかもしれません。そう考えると諸々のキャスト変更がちょっと残念になっ
てきましたが、オーケストラの厚みのある演奏もすばらしく、良い時間を過ごすことができま
した。
プログラムを見ると、かなりのハードスケジュールで公演を行う予定になっていますが、ダ
ンサーの皆様、ケガに気をつけ、おいしい日本食を楽しみ、すばらしい舞台を見せてくださ
いませ。

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