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2015年12月 2日 (水)

エリサ・バデネス&フリーデマン・フォーゲル主演 シュツットガルト・バレエ 「オネーギン」 西宮公演

フォーゲルくん、さわやかな笑顔で泣いていました。

2015年11月28日 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

主な配役
オネーギン;フリーデマン・フォーゲル
タチヤーナ:エリサ・バデネス
レンスキー:パブロ・フォン・シュテルネンフェルス
オリガ:アンジェリーナ・ズッカリーニ
グレーミン侯爵:ロマン・ノヴィツキー

指揮:ヴォルフガング・ハインツ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

フォーゲルくん、やればできるじゃん!!
東京公演の成功で自信をつけたのでしょうか、第1幕のフォーゲル@オネーギンはゲネプ
ロで見せたどこか青臭さが抜けないオネーギンではなく、見た目はスマートで洗練されて
自信もあり、男の色気も感じさせるけれど、心の一部が石のように固くなっている、そんな
青年に見えました。
第2幕のフォーゲル@オネーギンは、一応人目のないことろでタチヤーナにラブレターを突
き返すけれども、泣き出すタチヤーナを一顧だにせず、むしろ済々した表情を見せる本当
に嫌な奴。オリガと踊るオネーギンを見ていら立つレンスキーに見せる笑顔は意地悪オー
ラ全開で、ぞっとしました。結局レンスキーと決闘することになり、一応レンスキーを説得す
るけれども、レンスキーの決意が変わらないとわかると、「ああそうかい。望むようにしてや
ろう。」と踵を返し、何の迷いも見せずに引き金を引くところは冷酷というよりも、心の一部
が石のように固くなっている人の鈍感さのように見えました。
第3幕のフォーゲル@オネーギンは特権階級の体面を保ちながらそれなりに恵まれた生
活をしてきたように見えましたが、タチヤーナと再会して、「手紙のパ・ド・ドゥ」冒頭のタチ
ヤーナの足元に崩れ落ちるところからすでに目を潤ませ、鼻を赤くして泣いていました。本
当はフォーゲル@オネーギンもタチヤーナに強く惹かれていたのに、そんな自分が許せず
タチヤーナを拒絶。でもはっきりとタチヤーナに好意を示すグレーミン侯爵と踊るタチヤー
ナを見て抑えられない嫉妬を感じ、タチヤーナの気持ちを自分に向かせるためにオリガに
ちょっかいを出したら、結果的に友人のレンスキーを殺してしまった。それゆえますます心
を石のように固くして罪の意識とタチヤーナへの思いから自分を守っていたのに、図らずも
タチヤーナと再会して心の中の石が砕け、固く押し込めていた思いが涙とともに溢れ出て
しまった、こんな心情だったのかもしれません。
いや~、でもフォーゲルくんの中にこんな表現力とパッションがあったとは!
インタビューによると、オネーギンを踊る機会は巡ってこないかもしれないと悲観したことも
あったそうですが、ベストの時期にオネーギンを踊る機会が巡ってきたと思いますし、それ
を見届けることができたのは本当に幸せだと思います。

バデネス@タチヤーナは繊細で内気というよりも、快活で読書好きな夢見る少女のようで
したが、明快で的確な表現ができるダンサーで、若くしてプリンシパルになったのも納得で
した。
フォーゲルくんとのコンビネーションもよく、「鏡のパ・ド・ドゥ」はまるで氷の上を滑っている
かのようになめらかさで、決して演技でも何でもない2人の至福の表情にこちらも高揚させ
られました。「鏡」を見てこんな気持ちになったのは、ちょうど10年前のマリア・アイシュヴァ
ルト&マニュエル・ルグリ主演の「オネーギン」以来でした。
「手紙のパ・ド・ドゥ」冒頭から泣いていたフォーゲル@オネーギンは、さらに大きな感情の
波が押し寄せてきたためだと思いますが、途中で一瞬動きが止まり、このまま踊れなくなる
のではないかと冷や冷やさせられましたが、バデネスは冷静ですね。全くひるむことなく踊
り続けて、きちんとラストまで持って行き、オネーギンからの手紙を毅然と突き返す様は、
今まで見たどのタチヤーナよりも強い意志が感じられ、「もう私は後ろを振り向かない。私
は私が選んだ人生を歩いていく。」というセリフが聞こえてきそうでした。

舞台の上で踊りながら涙を流し、一瞬とはいえ踊れなくなるなんてプロのダンサーとしては
あるまじきことなのかもしれませんが、自分のすべてを注いでオネーギンを生き、駆け抜け
ていったフォーゲルくんのその姿に、言葉にならない感動をもらいました。
やり切った、という気持ちだったと思いますが、フォーゲルくんはカーテンコールでは「さわ
やかな泣き顔」で拍手に応えていました。

いや~、読み返してみて炸裂する自分の妄想と「フォーゲル愛」の垂れ流しに笑ってしまい
ますが、ようやくここまで書いて「オネーギン 西宮公演」の幕が私の中で降りたような気が
します。
偉大な作品、そして自分のすべてを舞台に注ぐダンサーの皆様に本当に感謝です。

昨日はテリョーシキナ&パリッシュ主演のマリインスキー・バレエ「ロミオとジュリエット」を
見てきました。ドラマとしての密度はちょっと低かったかなと思いますが、テリョーシキナ&
パリッシュの美しさを堪能してきました。ロパさまの「白鳥」の前に感想をアップできればと
思っています。

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