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2016年7月19日 (火)

「バレエの王子さま」 7/18 楽日

眼福&とっても楽しい公演でした。

2016年7月18日 文京シビックホール

「オープニング」
振付:ロマン・ノヴィツキー
音楽:オズバルド・フレセド

シムキンくんをトップバッターに、フレセドのタンゴに乗りながら出演ダンサーがそれぞれ得
意なステップ、ジャンプ、ピルエットで観客にアピール。客席は一気に温まりました。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:P.I.チャイコフスキー
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン

この2人の「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」は2009年の世界バレエフェスティバルで見てい
ますが、そのときと同じでどうも2人のタイミングが合っていないように思えました。ヴァリ
エーションになると2人とも生き生きしているのですが、さすがに4日連続公演でお疲れな
のか、この2人の凄さが出ていないのが残念でした。

「予言者」(世界初演)
振付:ウェイン・マクレガー
音楽:テリー・ライリー
エドワード・ワトソン

コンテ作品なんですが、ひりひりとした精神性というか、何か張り詰めた空気が伝わってき
て、息を詰めて見てしまいました。御年40歳のワトソンですが、鍛え上げた肉体とその
ムーブメントに彼のストイックな精神を見たような気がしました。プログラムにも配役表にも
原題が載っていないので本当のところはわかりませんが、「予言者」ではなく「預言者」が
正しいのではないかと思います。

「バレエ101」
振付:エリック・ゴーティエ
音楽:イェンス・ペーター・アーベレ
ウラジーミル・シクリャローフ

「バレエには101のポジションがあります。」というアナウンスから始まる作品なんですが、
クラシックのポジションの間に「なんじゃこりゃ?」というポジションというかポーズがあり、
101までいったところで「45、32、67」というように無茶苦茶な指示が始まります。ダン
サーは必死にそのアナウンスに合わせてポーズをとり、最後は手脚を振り回しすぎてバラ
バラに(← 暗転したときにマネキンが置かれる)なってしまうという大笑いの作品でした。
でもさすがテクニックを誇るシクリャローフくん、全く音から遅れることなく正確なポーズを見
せ、茶目っ気もたっぷり。新たな魅力を見せてくれました。

「ファイヤー・ブリーザー」
振付:カタジェナ・コジルスカ
音楽:ルドヴィゴ・エイナウティ
ダニエルカマルゴ

これはもう振付がどーのこーのというよりも彼の溢れる若さとパッションを堪能する作品
で、彼のワイルドな魅力満載でした。正に「時分の花」。いや~、いいものを見ました。
昨年の日本公演でレンスキーを踊るを彼を見て、まだ粗削りだけどこれから楽しみだわ、
と思っていたのですが、来シーズンからオランダ国立バレエに移籍するそうです。マライ
ン・ラドメーカー、イサック・エルナンデス、そしてこのカマルゴとイケメンが集まるオランダ
国立バレエですが、日本に来ないかなあ。

「ワン・オーバーチュア」
振付:ヨルマ・エロ
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
マリア・コチェトコワ

コチェトコワのために振り付けられたそうですが、ちょっとインパクトが弱かったかな。

「月の光」
振付:アラステア・マリオット
音楽:クロード・ドビュッシー
エドワード・ワトソン

「月の光」というとイリ・ブベニチェクがエルヴェ・モローに振り付けていますが、こちらの作
品の方がずっと曲想に合っていました。ワトソンのテクニックが月の光の下で冴えわたるよ
うな踊りでしたが、ただやっぱりどこかワトソンは狂気を感じさせ、「お月見」と称して月を愛
でる日本と、”lunacy””lunatic”という言葉を生み出す英語圏文化との違いを感じました。

「同じ大きさ?」
振付:ロマン・ノヴィツキー
音楽:ハズマット・モディーン ウェイド・シューマン・バハムード
ダニエル・カマルゴ レオニード・サラファーノフ ダニール・シムキン

芸達者の3人が魅せてくれました。さすがに3人が見事にシンクロ!とまではいかなかった
のですが、それぞれソロのパートで優れたテクニックとユーモアを見せてくれました。でも
やっぱり光っていたのはサラファーノフで、ほんとにこの人は何でも踊れる優れたダンサー
なのだと改めて思いました。マリインスキー・バレエを出たのは正解だと思いますが、果た
してミハイロフスキーにいるのが適切なのだろうかと思いました。もっと活躍できるところが
あるように思うのですが。
一部ですが、シムキンくんが動画をアップしています。
http://www.daniilsimkin.com/video-first-show-here-in-tokyo-done-etudes-alongside-maria-kochetkova-balletrusse-leonid-sarafanov-sarafan-and-vladimir-shklyarov-vladimir_shklyarov-and-debut-in-roman-novitzkys-are-2/

「エチュード」
振付:ハラルド・ランダー
音楽:カール・チェルニー クヌドーゲ・リーサゲル
エトワール:サラ・ラム ウラジーミル・シクリャローフ レオニード・サラファーノフ
東京バレエ団

今まで見た「エチュード」の中で一番見応えがあって素晴らしい出来栄えでした。
東バの男性陣はちょっと残念でしたが、女性陣は美脚でテクニックも優れていて、本当に
美しかったです。でもやっぱり見せてくれたのはゲストの3人でサラ・ラムの美しく力強い女
王の踊り、サラファーノフの端正さ、踊る喜びを全身であらわすシクリャローフ、もう眼福&
満腹でした。こんな豪華なキャストで見る「エチュード」はそうそうないと思います。

楽日のこの日はお約束の金の振り落としが降り、客席はスタオベで幕が降りました。
こんなにいい公演だったのにチケットの売れ行きがイマイチで本当にもったいない。
「バレエの王子さま」というタイトルが良くない、という意見をネットで結構見ましたが、同じく
トップクラスのダンサーが集まった「ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界」もチケット販
売で苦戦していましたから、本当に興行は難しいですね。
でも男性ダンサーにスポットを当てるというコンセプトも出演ダンサーのチョイスも作品の
チョイスも優れていたので、第2弾、3弾を期待しています。
ステファン・ランビエールがアップしている集合写真を貼っておきます。
https://twitter.com/StephaneLambiel/status/754672464731439104

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