« ボリショイ・バレエ 2017年日本公演 詳細発表 | トップページ | 「バレエの王子さま」 始まりました »

2016年7月 4日 (月)

サラ・ラム&スティーヴン・マックレー主演 英国ロイヤル・バレエ2016年日本公演 「ジゼル」

お手本のようなジゼルでした。

2016年6月25日 東京文化会館

主な配役
ジゼル:サラ・ラム
アルブレヒト:スティーヴン・マックレー
ヒラリオン:ヴァレンティノ・ズッケッティ
クールラント公:トーマス・ホワイトヘッド
バチルド:オリヴィア・カウリー
ミルタ:ヘレン・クロフォード
パ・ド・シス:ヤスミン・ナグディ マルセリーノ・サンベ ロマニー・バイダク
        デヴィッド・ドネリー レティシア・ストック ニコル・エドモンズ

指揮:クーン・ケッセルズ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦団

ラム@ジゼルは、「私は体が弱いし、ただの村娘だけど、心意気は誰にも負けないわ!」な
あんてセリフが聞こえてきそうなポジティブガール。ロイスと名前を偽って迫ってくるアルブ
レヒトに恥じらいは見せるけれど、自分の意思でロイスとの関係を続けている、そんなジゼ
ルに見えました。そんなポジティブガールなので、アルブレヒトの正体とバチルド姫の存在
を知ったときのラム@ジゼルは、自分を高めようというこれまでの努力が踏みにじられたこ
とに対する怒り、アルブレヒトという人間の本性を見抜けなかった自分の愚かさへの罰とし
て自ら命を絶って(← ピーター・ライト版ではジゼルはアルブレヒトの剣で胸を刺して死
ぬ)しまったように見え、これって現代女性に近いジゼルかも、と思いました。 

対するマックレー@アルブレヒトは、「確かに僕にはバチルド姫という婚約者がいるけど、そ
れはそれ、これはこれ。僕はすばらしいもの全てを手に入れたいんだ。」という欲張りお貴
族様。いつまでもジゼルとの関係を続けられないことはわかっているけれど、まあその時
はその時だ、と都合よく考える「開き直り系アルブレヒト」でした。バチルド姫の存在を知り、
「本当なの? うそでしょ?」とすがりつくジゼルと目を合わせることができず、背中を向け
る姿は本当に嫌なやつで、代わりに私がビンタをお見舞いしようかと思ったくらいでした。 


2幕のラム@ジゼルはポジティブガールの雰囲気は全くなく、希望も志も喜怒哀楽
もない陰鬱なウィリで、さすがに全くポワントの音がしないとまではいきませんで
したが、正確なパと美しいアームス、ちょっとした仕草と表情でアルブレヒトへの
思いをあらわすところは秀逸でした。

ジゼルのお墓に詣でた2幕のマックレー@アルブレヒトは、あまり悲しんでいるようには見
えなかったのですが、目に見えないけど確かにジゼルはここにいる、と感じ取ったときのう
れしそうな表現が秀逸で、そうか、アルブレヒトもちゃんとジゼルを愛していたのね、と許す
気分にさせられました。ただ残念だったのはミルタに踊らされる場面でのバリエーション
で、抜群のテクニックを誇るマックレーですから、ブリゼの後にアントルシャシスと目一杯攻
めてほしかったのですが、一般向けの何とも省エネな振り付けで、あれじゃあ踊り死ぬこと
はなさそうね、という感じでした。 


とまあ、少し不満はあるのですが、いろいろな全幕もので共演を重ねている2人の
パートナーシップは素晴らしく、全くミスのないハイレベルのパ・ド・ドゥに大満
足でした。

昨日7月3日にこの2人は名古屋で「ロミオとジュリエット」を踊っていますが、
東京公演で予定されていなかったことがつくづく残念です。

 

ピーター・ライト版の「ジゼル」は初めて見たのですが、いつも退屈に感じる1幕
のパ・ド・シスやペザントの踊りも見応えがありました。パ・ド・シスを踊ったヤ
スミン・ナグディは名前から考えると中東にルーツを持つ人だと思いますが、なか
なかの美人で、テクニック、表現とも優れているので、これから上がってくる人で
はないかと思います。

あとナイスキャスティングと思ったのはバチルド姫のオリヴィア・カウリーで、努力をするポ
ジティブガールのジゼルとは正反対の「私は生まれつき優れているんだから、別に努力な
んて必要ないわ。」と言わんばかりのキャラ立ちしたバチルド姫で、ジゼルとの対比で1幕
を盛り上げていました。 


今回は3公演しか見ることができませんでしたが、優れたダンサーの優れた表現に
大満足でした。多分また3年後くらいに来日するのだと思いますが、大満足の舞台
を期待しています。

 

 

« ボリショイ・バレエ 2017年日本公演 詳細発表 | トップページ | 「バレエの王子さま」 始まりました »

バレエ鑑賞」カテゴリの記事

コメント

ジゼルのレポをありがとうございます。
私もマックレーを見たかったんですが、予算がなく、オシポワを取ってしまいました。
ローレンとかサラちゃん、とってもいいダンサーだと思うんですが、ロシアのダンサーに比べるとなんか薄味じゃないですか?
いや、私はギエムやオシポワが好きなので、個人的な嗜好だとは思いますが。
肉体が奇跡を生み出す、みたいな瞬間をどうしても追い求めちゃうんですよね笑

ヤスミンちゃんはオシポワの日はドゥウィリの一人で、ミルタを踊ったダンサーより全然うまかったです。
彼女はどんどん役がつきそうですね^_^

ポチさん、コメントありがとうございます。
確かに肉体面ではラム&マックレーは薄味かもしれませんが、
役柄、ドラマの表現という点ではとても優れていたので、私は
満足でした。来年ボリショイの「ジゼル」を見たら考えが変わるかも
しれませんが。^^;

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ボリショイ・バレエ 2017年日本公演 詳細発表 | トップページ | 「バレエの王子さま」 始まりました »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ