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2017年3月

2017年3月13日 (月)

パリ・オペラ座バレエ 2017年日本公演 「グラン・ガラ」 3/9

エトワールの実力を堪能してきました。

2017年3月9日 東京文化会館


指揮:マクシム・パスカル

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

「テーマとバリエーション」


音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

振付:ジョージ・バランシン

主な配役
リアム・ウルド=ブラーム
マチアス・エイマン
「ラ・シルフィード」でも「美しさと正確さ」を見せてくれたマチアスですが、音
楽と一体になった正確なポーズとムーブメントは絶品でした。本人も踊る喜びを感
じていた瞬間だったのではないでしょうか。

冒頭は音の取り方に苦労しているように見えたミリアムですが、途中からはきっち
りと音に合わせ、やはり正確なポーズとムーブメントを見せてくれました。

コール・ドたちにも「動く幾何学模様」を期待したいところですが、音の取り方が
ばらばらなところがあり、揃っていなかったのが残念でした。このあたりをオレリ
ー監督が鍛えてくれることを期待します。


「アザ-ダンス」


音楽:フレデリック・ショパン

振付:ジェローム・ロビンス
ピアノ演奏:ヴェッセラ・ベロフスカ

リュドミラ・パリエロ

ジョシュア・オファルト

今までに見た「アザ-ダンス」の中ではベストと言っていいほど素晴らしい舞台で
した。こんなにショパンのマズルカ、ワルツを豊かに使った「アザ-ダンス」は見
たことがありません。ピアノ演奏と一体となった美しいポーズとムーブメント。も
うもう至福の時でした。オファルトくんもマニュエル・ルグリ先生の「美しさと正
確さ」を引き継ぐ1人ですが、2012年の「世界バレエフェスティバル」でオレ
リー・デュポンと踊った「アザ-ダンス」よりもずっと表現に深みと遊びと軽やか
さが増していて、エトワールとしてのここ数年の経験、自信、研鑽が見事に結実し
ているように思えました。

パリエロを生で見るのはおそらく初めてではないかと思うのですが、オファルトく
ん同様「美しさと正確さ」をベースにした軽やかで、エレガントで深みのある踊り
にロシアでもなく、イギリスでもなく、アメリカでもない「パリ・オペラ座バレエ
のエレガンス」を見る思いがしました。2人の練り上げたパートナーシップ、作
品、楽曲に対する理解も素晴らしく、きっと天国のロビンス先生もご満悦のことで
しょう。あー、またこのハーモニーに浸りたい!


「ダフニスとクロエ」


音楽:モーリス・ラヴェル

振付:バンジャマン・ミルピエ

主な配役

クロエ:オレリー・デュポンダ
ダフニス:ジェルマン・ルーヴェ
リュセイオン:レオノール・ボラック
ドルコン:マルク・モロー
ブリュアクシス:フランソワ・アリュ

先日「ボレロ」を見たばかりですから当然ですが、オレリー芸監、まだまだ踊れる
し、ドラマを作れるではありませんか。若いダンサーとの格の違いを感じました。

昨年エトワールになったばかりのボラック、ルーヴェはそつなく踊っているという
感じでしたが、まだまだ伸び代を感じました。

初めて生でアリュを見ましたが、彼はイワン・ワシーリエフと同じ「パワーバレ
エ」系のダンサーですね。踊れる役柄は限られてしまうかもしれませんが、仮にパ
リ・オペラ座バレエが「スパルタクス」を上演するとしたら、彼はぴったりです
ね。

モローはもう11年も前になりますが、「マニュエル・ルグリのスーパーバレエレ
ッスン」に生徒役で出演していたダンサーで、さすがに紅顔の美少年も大人になっ
たな、という感じですが、個性を放っていました。


とここまでの取って付けたような感想を読んでお気付きと思いますが、この「ダフ
ニスとクロエ」、私にとってはあまりインパクトのある作品ではありませんでし
た。基本は古典のテクニックを使った振付で、衣装も舞台装置も素敵だったのです
が、冗長に感じる部分が多く、後半は「ヘドバン」しながら激しく指揮をするパス
カルさんの方に目が行ってしまいました。

ひどい言い方ですが、パリ・オペラ座バレエがこんな作品ばかり踊るバレエ団にな
らなくてよかった、と思った次第です。

全幕ものばかりではなく。今回のような「ガラ」も新鮮でいいと思うので、今後も
ぜひ企画してほしいと思います。ただ集客はちょっと厳しいかな。パリのようにこ
ういうガラでも客席が埋まるようになってほしいのですが。


傑出したエトワールたちが次々に定年退職し、代替わりしているパリ・オペラ座バ
レエですが、新エトワールたちはまだまだ成長すると思いますし、パリエロ&オフ
ァルト、ミリアム&マチアスが見せてくれたような「パリ・オペラ座バレエのエレ
ガンス」をぜひ受け継いでいってほしいと思います。

NBSのツイッターにいろいろ写真が載っています。
https://twitter.com/NBS_japan

2017年3月 8日 (水)

パリ・オペラ座バレエ 2017年日本公演 「ラ・シルフィード」

もうまとめて感想書いちゃう。

 

2017年3月4日 18:30  3月5日 15:00 東京文化会館

台本:アドルフ・ヌーリ
音楽:ジャン・マドレーヌ・シュナイツホーファー
振付:ピエール・ラコット(フィリップ・タリオーニ原案による)
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:フェイサル・カルイ

主な配役

3月4日                     3月5日

ラ・シルフィード:ミリアム・ウルド=ブラーム   アマンディーヌ・アルビッソン

ジェームズ:マチアス・エイマン          ユーゴ・マルシャン

エフィー:レオノール・ボラック          ヴァランティーヌ・コラサント

魔女マッジ:アレクシス・ルノー          オレリアン・ウェット

ガーン:イヴォン・ドゥモル            ミカエル・ラフォン

エフィーの母:ニノン・ロー            アモセーヌ・アルノー

パ・ド・ドゥ

エレオノーラ・ゲリノー              マリーヌ・ガニオ

フランソワ・アリュ                マルク・モロー

 

もう私の言語表現力を越えていますが、ルグリ先生の「美しさと正確さ」を引き継
いだマチアスの踊りはとにかく素晴らしかった、の一言です。怪我で長い間舞台を
離れていたときは、もう戻って来られないのでは、というあきらめの気持ちがあっ
たのですが、ここまで登り詰めるとは。「人間の肉体が生み出す究極の美」を堪能
いたしました。あの場に居合わせた観客は幸せとしか言いようがありません。
でもちょっと残念だったのは役柄、ドラマの表現が薄かったことで、エフィーとは
政略結婚ですか?と聞きたくなるほどエフィーに対する態度は淡泊だったし、エ
フィーとシルフィードとの間で揺れ動くジェームズの感情表現はもう一歩、だった
かな。

日本でエトワールに任命されたユーゴ・マルシャンはこの日がエトワールとしての
初舞台でしたが、とても瑞々しいジェームズで、エフィーを愛しながらもシル
フィードに惹かれ、身を滅ぼしていく?様子の表現は秀逸だったと思います。去年
のエトワール・ガラで見たときは、テクニック面でもう一歩前進してほしいなと思
いましたが、ラコットの難しい振付を踊りこなし、もう堂々たるエトワールでした。

こちらにエトワール任命時の動画があります。

https://twitter.com/BalletOParis/status/839103583391973377

 

シルフィード役のミリアムもアマンディーヌも良かったけど、どちらかというと
ファム・ファタール的な側面が強くて、妖精としての透明感や「この世のものでは
ない感?」が少なかったのが残念でした。

 

その他になかなか良かったわ、と思ったのがエフィー役のレオノール・ボラックと
ヴァランティーヌ・コラサントで、結婚を控えた幸せ感、ジェームズの気持ちが自
分以外の誰かに向いていることを知ったときの怒り、悲しみ、絶望を繊細に表して
いました。

 

東フィルさんの演奏もすばらしく、第1幕「オンブル」のチェロ?ビオラ?の豊か
な音色に聞き惚れました。

 

とここまで持ち上げてナンですが、ラコット版の「ラ・シルフィード」は難しい振
付の割には印象に残るパ・ド・ドゥ、バリエーション、群舞も少ないし、使われて
いる音楽もどちらかと言えば単調なので、一瞬睡魔に襲われることもありました。

次回の日本公演ではヌレエフ版の古典をガツンと上演してほしいと思います。

2017年3月 3日 (金)

パリ・オペラ座バレエ ユーゴ・マルシャン エトワールに任命

昨日から日本公演を行なっているパリ・オペラ座バレエですが、本日「ラ・シルフィード」で主
演したユーゴ・マルシャンがエトワールに任命されたそうです。
https://twitter.com/NBS_japan/status/837632308853133313

https://twitter.com/NBS_japan/status/837653378666618880

もしかしたら日本で任命されるのでは、と某巨大掲示板で噂になっていましたが、本当に任
命されるとは。
ユーゴ・マルシャンは5日に再び主演の予定なので、今から本当に楽しみです。

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