バレエ鑑賞

2017年8月29日 (火)

ルグリ・ガラ 運命のバレエダンサー Aプロ、Bプロ

Aプロ 2017年8月25日 東京文化会館
Bプロ 2017年8月24日 東京文化会館

本当は1演目ずつ感想を書きたいのですが、今週、来週は少々忙しく、ざっとした感想でお許
しください。
Aプロ、Bプロとも半分はコンテンポラリーダンスだったのですが、寝落ちしてしまうような退屈
な作品は1つもなく、どの作品も「人間の肉体が生み出す美」を表現していて、ルグリ先生の
確かな審美眼がいかんなく発揮されたプログラム構成でした。息を詰めるようなコンテの後に
カラッとしたクラシック作品を持ってくるところもさすがでした。
そしてルグリ先生の「美しさと正確さ」、これはもう永久不滅ですね。これこそが世阿弥の言う
「まことの花」なのだと思います。ただ、仕方がありませんが、ルグリ先生が踊れる作品は本
当に限られてきているようで、期待していた「アルルの女」はなんと最後の「ファランドールの
部分はなし。ちょっと寂しくなった瞬間でした。
今回もウィーン国立バレエの若手を連れて来ていますが、いずれも伸びしろがありそうなダン
サーばかりで、特にジェームズ・ステファン、ジェロー・ウィリックは楽しみです。
プリンシパル陣で目を引いたのは久しぶりに見たセミョーン・チュージンで、踊りにも佇まいに
も精神性の高さというか格調の高さがあらわれていて、日本で全幕を踊るときは絶対に見に
行こうと思いました。
あまり注目していなかったマリアネラ・ニュネスですが、「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」では単
に音楽に合わせるのではなく、「音楽の表情」を捉えた踊りに彼女の音楽性の高さを感じまし
た。「音楽性」を大事にするルグリ先生がメンバーに選んだわけがわかりました。
ニュネスと&ワディム・ムンタギロフでルグリ版「海賊」のパ・ド・ドゥも踊っていますが、もしか
したら来年日本で上演される「海賊」で主役を務めるかもしれませんね。
ルグリ先生ご自身はさらに舞台から遠ざかっていくのだと思いますが、これからもぜひ「人間
の肉体が生み出す最高の美」を見せてほしいと思います。

2017年8月18日 (金)

マニュエル・ルグリ版「海賊」 2018年5月に日本で上演

大好評だったルグリ先生演出の「海賊」がオーチャードホールで上演されるそうです。
http://www.bunkamura.co.jp/topics/orchard/482.html

一度生で見たいと思っていたので大歓迎ですが、オーチャードホールですか・・・。あの見づら
いホールで上演するなんて、何ともったいないこと・・・。
何年か前にNBSが招聘してウィーン国立バレエが日本公演を行なっていますが、第2弾が
ないので不思議に思っていました。完全にNBSとは切れてしまったんですかね。
良席ゲットを目指してがんばります。

2017年8月12日 (土)

ル・グラン・ガラ ~パリ・オペラ座バレエ団トップダンサーたちによる華麗なる宴~

今夜放送された「世界ふしぎ発見」を見て知ったのですが、来年1月に渋谷の東急シアター
オーブで公演するそうです。
http://www.tbs.co.jp/event/parisopera-gala/

ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオを筆頭に、オニール・八菜、ユーゴ・マルシャン、ジェル
マン・ルーヴェと見栄えのする5人が出演です。
チケットは売れるでしょうけど、基本的に2演目ともコンテだと思うので、観客の反応はどうで
しょうかね。
Bunkmuraの会員向けに先行販売があるようです。

2017年8月 9日 (水)

ハンブルク・バレエ 2018年日本公演の概要

昨日発表されました。

「椿姫」

2月2日(金)
マルグリット:アリーナ・コジョカル  アルマン:アレクサドル・トルーシュ
マノン:シルヴィア・アッツォーニ   デグリュー:アレクサンドル・リアブコ
デュヴァル氏:カーステン・ユング  プリュダンス:菅井円香
ガストン:カレン・アザチャン      オランピア:フロレンシア・チネラート

2月3日(土)
マルグリット:アンナ・ラウデール   アルマン:エドヴィン・レヴァゾフ
マノン:カロリーナ・アグエロ     デグリュー:パトリシア・フリッツァ
デュヴァル氏:イヴァン・ウルバン  プリュダンス:菅井円香
ガストン:マティス・オベリン      オランピア:シュー・リン

2月4日(日)
マルグリット:エレーヌ・ブシェ    アルマン:クリストファー・エヴァンズ
マノン:有井舞耀            デグリュー:カレン・アザチャン
デュヴァル氏:ダリオ・フランコーニ プリュダンス:レスリー・ヘイルマン
ガストン:ヤコポ・ペルーシ       オランピア:エミリー・マゾン

が~ん、リアブコさんはアルマンを踊らないんですね。けっこうショックです。

2月7日(水)
ガラ公演 「ジョン・ノイマイヤーの世界」

前回の日本公演で初演した演目ですが、むちゃくちゃ良かったので(←感想を書いてませ
んが・・・)、楽しみです。

「ニジンスキー」

2月10日(土)
ニジンスキー:アレクサンドル・リアブコ
ディアギレフ:イヴァン・ウルバン
ロモラ:エレーヌ・ブシェ
ブリニスラヴァ・ニジンスカ:パトリシア・フリッツァ
スタニスラフ・ニジンスキー:アレイズ・マルティネス
タマラ・カルサーヴィナ:シルヴィア・アッツォーニ
レオニード・マシーン:ヤコポ・ペルーシ

2月11日(日)
ニジンスキー:アレクサンドル・トルーシュ
ディアギレフ:カーステン・ユング
ロモラ:カロリーナ・アグエロ
ブリニスラヴァ・ニジンスカ:レスリー・ヘイルマン
スタニスラフ・ニジンスキー:コンスタンティン・ニジンスキー
タマラ・カルサーヴィナ:シュー・リン
レオニード・マシーン:リロイ・ブーン

2月12日(月・祝)
ニジンスキー:アレクサンドル・リアブコ
ディアギレフ:イヴァン・ウルバン
ロモラ:エレーヌ・ブシェ
ブリニスラヴァ・ニジンスカ:パトリシア・フリッツァ
スタニスラフ・ニジンスキー:アレイズ・マルティネス
タマラ・カルサーヴィナ:シルヴィア・アッツォーニ
レオニード・マシーン:ヤコポ・ペルーシ

リアブコさん、2回登板ですか。これは2回とも見に行くしかありませんな。
まだ半年先ですが、とっても楽しみです。
詳しくはこちらをどうそ。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/-2018.html

2017年8月 3日 (木)

オペラ座&ロイヤル 「バレエ・スプリーム」 Bプロ

ささっと感想を。

2017年7月30日 文京シビックホール

「グラン・パ・クラシック」
オニール・八菜 ユーゴ・マルシャン

2人ともきっちり踊ってはいたけど、もう少し華があると良かったかも。オニール・八菜は人
気あるんですね。客席からは大きな拍手がわきました。

「ロミオとジュリエット」
レオノール・ポラック ジェルマン・ルーヴェ

これは見ていてドキドキしました。この2人は難しいヌレエフ版の振付を自分の言葉、感情に
していますね。2人のロミジュリ全幕をぜひ見てみたいです。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ミリアム・ウルド=ブラーム マチアス・エイマン

テクニックだけではない、華も奥行きもあるチャイ・パを見て、この2人も大物エトワールに
なったわね、としみじみ思いました。

「真夏の夜の夢」
高田 茜 ベンジャミン・エラ

2人ともいい雰囲気を出していましたが、演目のインパクトが弱かったかな。

「白鳥の湖」 第2幕よりパ・ド・ドゥ
金子扶生 フェデリコ・ボネッリ

金子さんは思っていた以上に硬質で美しいポーズとムーブメントで、日本人でここまで踊れ
る人はあまりいないのでは、と思いました。ボネッリも優しく素敵な王子でした。

「タランテラ」
フランチェスカ・ヘイワード マルセリーノ・センベ

音楽に合わせて美しく踊っていたのですが、ちょっと遊びとスリリングさが足りなかったか
も。去年の日本公演で可憐なジュリエットを踊ったヘイワードはかなりごつくなっていて、
びっくりしました。

「ドン・キホーテ」
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー

予想通り、超絶技巧を繰り広げ、客席は盛り上がりましたが、踊りの流れとは関係ない観
客の拍手に興ざめしてしまいました。バレエは技を見せるフィギュアスケートではないんで
すけど。でもまあ観客の求めるものを適切につかんだサレンコ&マックレーの作戦勝ちと
いうところでしょうか。

「眠れる森の美女」 ディヴェルティスマン
配役はこちらを
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cat16/729-1400b.html

やはり印象に残ったのはマチアスと青い鳥を踊ったマルシャンでしょうか。

正直に言うと、去年の「バレエの王子様」の方が中身の濃い充実した公演でしたが、第2弾
があるらしいので、さらに充実した公演を期待したいと思います。
いくつか写真を載せておきます。

動画
https://twitter.com/NBS_ballet/status/891655200238313472

終演後
東京
https://twitter.com/NBS_ballet/status/891659501140561921

福岡
https://twitter.com/NBS_ballet/status/892800580799709184
https://twitter.com/NBS_ballet/status/892801700221693952

2017年7月31日 (月)

朝日新聞 マニュエル・ルグリのインタビュー

7月31日の朝日新聞東京版の夕刊に来月公演を行なうルグリ先生のインタビューが載って
います。
http://www.asahi.com/articles/DA3S13065310.html

登録していないと全文を読めないのが残念ですが、記事の最後の言葉にはたはたと膝を打
ちました。

「ダンスの価値は回転の速さや高さでは決まらない。肉体と同じだけ心で伝えるものがある。
スピードばかりが重視される今、ダンスの魔法を守っていきたい。」

このところ見に行っても不全感が残る公演が多く、一体この不全感は何なんだろうと思ってい
たのですが、ルグリ先生のこの言葉で霧が晴れました。
そうです、たくさん回って高く飛べばいいというものではありません。バレエは、ダンスは「表現」です。

公演まで1ヶ月を切りましたが、ルグリ先生が放つ「ダンスの魔法」の渦に巻き込まれたいと思います。

2017年7月16日 (日)

イングリッシュ・ナショナル・バレエ 2017年日本公演 「海賊」 7/16

余は満足じゃ~!でございました。

2017年7月16日 東京文化会館

主な配役
メドーラ:タマラ・ロホ
コンラッド:イサック・エルナンデス
ギュルナーラ:カーチャ・ハニュコワ
ランケデム:ジンハオ・チャン
アリ:セザール・コラレス
ビルバント:ヨナ・アコスタ
パシャ:マイケル・コールマン 

指揮:ギャヴィン・サザーランド
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

7月8日の「コッペリア」では結構ミスが目立ったロホさんですが、今日はもう他のダンサー
との格の違いを見せつける圧倒的なオーラにキレキレの踊り、クラシックバレエの醍醐味
を存分に味合わせてくれました。さすがに5回転はありませんでしたが、3回転は余裕で回
り、しかも回転軸は全くぶれずに一直線上を進みながら舞台前方にせり出してくるフェッテ
は圧巻でした。芸術監督を務めながら一体どれだけの鍛錬を積んでいるのか、団員のみ
なさん、迷わずロホさんに付いていってください。

おとといの公演でプリンシパルに任命されたセザール・コラレスですが、高く美しいジャンプ
にもうあり得ないくらい高速のピルエットに客席はどよめきました。今後の活躍に期待しま
す。
こちらにENBがアップしている動画があります。
https://twitter.com/ENBallet/status/885831738865463297

いつの間にかオランダ国立バレエから移籍していたイサック・エルナンデスですが、もうもう
堂々たるプリンシパルですね。端正で切れのある踊りに女性ダンサーを引き立てるサポー
ト、役柄、情感の表現も適切で、ユルギータ・ドロニナも移籍してきたことですし、是非日本
でもドラマティック・バレエを見せてほしいと思います。

衣装は映画「バットマン」などの衣装を手掛けたボブ・リングウッドが手掛けたそうですが、
スモーキーだけど上品な鮮やかさがあるとても素敵な衣装で、豊かな気持ちになりまし
た。舞台装置も背景画も含めてとても細かいところまで丁寧に作ってあり、総合芸術はこう
あるべきというお手本のようでした。どのように資金を得ているのかわかりませんが、こん
なに素敵な作品ができるなら、クラウドファンディングに参加してみようかという気持ちにさ
せられました。

明日はマリア・コチェトコワ主演の「海賊」を見に行ってきます。

2017年6月26日 (月)

「バレエ・スプリーム」 出演者変更

7月に公演予定のパリ・オペラ座とロイヤル・バレエの競演「バレエ・スプリーム」ですが、残念
なことにロイヤル・バレエのサラ・ラムがケガのため降板するそうです。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-718.html

うーむ残念ですが、良い公演となることを期待しています。

ぜんぜんボリショイ・バレエの感想を書けていませんが、この週末の目標にしたいと思いま
す。

2017年6月19日 (月)

「ロシアの至宝」 ウリヤーナ・ロパートキナ 引退

昨日報道されましたが、ロパさまが引退するそうです。
http://www.sankei.com/world/news/170618/wor1706180013-n1.html

何故かこの歌が浮かんできました。

散ればこそいとど桜はめでたけれうき世になにか久しかるべき

                                      在原業平 伊勢物語 第八十二段

これまで与えてくれた多くの感動に感謝するとともに、今後も幸多きことをお祈りいたします。

2017年6月10日 (土)

ザハロワ&ロヂキン主演 ボリショイ・バレエ 2017年日本公演 「白鳥の湖」

諸行無常を感じました。

2017年6月8日 東京文化会館

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本・演出:ユーリー・グリゴローヴィチ
振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ、

   アレクサンドル・ゴールスキー、ユーリー・グリゴローヴィチ
音楽監督:パーヴェル・ソローキン
指揮:パーヴェル・ソローキン
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

主な配役
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子:デニス・ロヂキン
悪魔ロットバルト:ミハイル・クリュチコフ 
王妃(王子の母):ヴェラ・ボリセンコワ
王子の家庭教師:アレクセイ・ロパレーヴィチ
道化:アレクサンドル・スモリャニノフ
王子の友人たち:アナスタシア・デニソワ アナ・トラサシヴィリ
儀典長:アレクサンドル・ファジェーチェフ
花嫁候補たち 
ハンガリー:ネッリ・コバヒーゼ
ロシア:ヴィクトリア・ヤクシェワ
スペイン:エルヴィナ・イブライモワ
ナポリ:クセーニヤ・シガンシナ
ポーランド:ヤニーナ・パリエンコ
3羽の白鳥:オルガ・マルチェンコワ マルファ・フョードワ
                アリョーナ・コワリョーワ
4羽の白鳥:ダリーヤ・ロフツォーワ オルガ・カリーニナ マルガリータ・シュライネル
                ダリーヤ・ボチコーワ

ザハロワさんはどうしてしまったのでしょうか。あまりの激やせぶりに衝撃を受けました。
頬はこけて年齢よりもずっと老けて見えましたし、背中はもちろんのこと、胸から肩、腕にか
けてもげっそりと肉が落ちていて、美しかったアームスが「鶏がら」にしか見えないこともあ
りました。
2幕のフェッテの最後で失速しそうになった以外は全くミスはなく、硬質なポーズ、ムーブメ
ントに全く変わりはありませんでしたが、内側から放たれる月の光のような透明感は感じら
れませんでした。
前回2014年はオディールを蠱惑的にとても楽しそうに踊っていたのですが、今回は全く媚
びない「つんつんお姫様」。でも一瞬ですが厳しい表情を見せることがあり、本当は全幕を
踊るのはかなりきついのではと思ったほどでした。
日本の観客の期待を十分知ったうえで渾身の舞台を見せてくれたとは思うのですが、時の
流れの残酷さを見た思いでした。

前回2014年はぎこちない王子だったロジキンですが、テクニック面ではそんなに劇的な変
化は感じられなかったのですが、ジャンプは高く美しくなっていましたし、ちゃんとポーズ、ム
ーブメントで語れるようになっていて、この3年間の成長を感じました。でも踊りの美しさとい
う点ではまだまだなので、同じく長身のプリンシパルだった師匠ニコライ・ツィスカリーゼや
アンドレイ・ウヴァーロフのように踊れるダンサーをぜひ目指してほしいと思います。

ザハロワさんの激やせが衝撃的で楽しむ余裕を失っていたので、そのほかはあまりよく見
ていないのですが、今後が楽しみだわと思ったのは一幕のワルツと二幕で「スペインボー
ズ」を踊っていたデヴィッド・モッタ・ソアレス(← 某巨大掲示板からの情報ですが)で、体の
ラインも踊りも美しく、育ちのいいお坊ちゃん的な雰囲気があるので、王子を踊れるように
伸びていってほしいなと思います。

多くの人がネット上で絶賛している公演にケチをつけるようで心苦しいのですが、正直な感
想を書くことを信条としてしておりますので、どうぞお許しを。

より以前の記事一覧

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ