演劇

2017年4月16日 (日)

赤坂大歌舞伎 「夢幻恋双紙 赤目の転生」(ネタバレ御免)

切ないお話でした。

2017年4月15日 17:00 赤坂ACTシアター

作・演出 蓬莱龍太

主な出演

太郎   中村勘九郎
歌     中村七之助
剛太   市川猿弥
静     中村鶴松
末吉   中村いてう
源乃助  中村亀鶴
善次郎  中村亀蔵

絵巻物のように右から左に流れていく物語ではなく、重層的というか、螺旋を描きながら底
知れず続いていく物語の中に描かれた、向き合いながらすれ違い、かみ合わない人の心、
思い、自分を犠牲にするしかない愛の形にしばらく打ちのめされました。
今回も七之助を目当てに出かけてたのですが、彼は本当にすごい。ちょっとした所作、醸し
出す雰囲気、たった一言のセリフで人の心の陰影をあらわす彼の役者としての力量に今回
もひれ伏したい気持ちでした。私が見逃しているだけかもしれませんが、現代劇に出ない
のは何でなんだろう。

他の記事にも書きましたが、やっぱり型を極めている人はすごい。
多くの傑出したバレエダンサーが第一線を退く時期を迎えているにもかかわらず、彼らが
磨き上げた美と表現を受け継ぐ若手ダンサーがあまり見当たらない昨今のバレエ界にいさ
さか失望し始めているあずきくりーむですが、もしかしたらこのブログは2年後くらいに「歌
舞伎ブログ」になっているかもしれません。まあいいよね。


2017年1月23日 (月)

長澤まさみ主演 ミュージカル「キャバレー」(多分ネタバレ)

2017年1月18日 EXシアター六本木

主な配役

長澤まさみ:サリー・ボウルズ
石丸幹二 :エムシー
小池徹平 :クリフォード・ブラッドショー
小松和重 :ミスターシュルツ/マックス
村杉蝉之介:エルンスト・ルートヴィッヒ
平岩 紙 :ミス・コスト
秋山菜津子:ミス・シュナイダー

公式サイトはこちら
http://www.parco-play.com/web/play/cabaret2017/

 

もともとのミュージカルや映画を見ていないので、どの程度松尾スズキの演出が
入っているのかわかりませんが、昨年見た「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」
と同じく「お下品な吹き寄せ」という感じの作品作りでした。飽きはしませんでし
たが、よっぽど生で見たい俳優が出演しない限り、今後は松尾スズキ演出の舞台は
見に行かないだろうなと思いました。


おそらく退廃的な雰囲気を出すために「敢えて」だと思うのですが、長澤まさみは
あまり引き締まっていない肉感的なボディで登場。身長も高いので、存在感があり
ました。歌はかなりボイトレをしたようで、歌手として通用するとは思いませんで
したが、豊かな声量で聴き応えがありました。ただ長澤@サリーは自分の意思とし
て退廃した世界に身を置いている前向きキャリアウーマンのようで、あまり陰影は
感じられませんでした。

石丸幹二@エムシー、小池徹平@クリフォード・ブラッドショーも好演していたと
思いますが、私がMVPをあげたいのは前回2007年も出演していた秋山菜津
子、小松和重の両名で、歌も深みがあって聞き応えがありましたし、完全に台詞を
自分の言葉、自分の感情にしていて胸に迫るものがあり、俳優の真価を見る思いが
いたしました。小松さんは休憩後の客席暖め役で客席を回り、「なんで皆さん、私
の歌で拍手しないんですか?」とぶーたれていましたが、小松さん、拍手のタイミ
ングがつかめなかっただけで、みんなあなたの歌には聴き惚れましたよ。


年に2~3回、「旬の俳優を生で見たいわ。」ということで、演劇を見に行ってい
るのですが、人間の情感の表現という点では演劇はバレエにかなわないですね。多
くの俳優が台詞に甘えていて、ノンバーバルな表現がおろそかになっています。そ
の点違うと思うのは独自の様式美を極めた歌舞伎俳優で、型を極めてこそ自由で深
い表現ができるのだと改めて思いました。
などと偉そうなことを言いつつ、また「旬の俳優」を見に行こうと思います。

2016年9月 4日 (日)

松阪桃李主演 「娼年」 (ネタバレご注意)

2016年9月3日 18:30 東京芸術劇場 プレイハウス

主な配役

森中  領:松阪桃李
御堂静香:高岡早紀
咲良   :佐津川愛美
白崎  恵:樋井明日香
平戸   東:猪塚健太
田嶋進也:米村亮太朗
老女    :江波杏子

バレエ鑑賞の合間に細々と「旬の俳優を生で見て見よう」シリーズを続けているのですが、
久々に感想を書く気になりました。
プログラムによると、石田衣良作の「娼年」「逝年」を元にした舞台だそうです。
「性の欲望」の奥にある人間の孤独、悲しみ、そして「性」は「聖」につながり、昇華していくこ
とがこの作品のテーマ、そして核心だろうと思うのですが、情事のシーンがあまりにリアル
なので、そのリアルさがかえってテーマや核心につながる奥行きを無くしてしまっているな
あ、と少々残念に感じました。

松阪桃李は何かのテレビドラマでちらっと見ただけで、俳優としての実力は全くわかってい
なかったのですが、セリフに甘えず、間の表現、ノンバーバルな表現がとても優れていて、
主役に抜擢される訳がわかりました。
そしてとにかく美しい! 正に「時分の花」をいかんなく発揮していたと思います。
あの激しい情事に加えて放出する精神的エネルギーも大きいのだと思いますが、カーテン
コールでの彼は半ば放心状態というか抜け殻状態。この役を引き受けたのはかなりの冒
険だったと思いますが、俳優として更なる飛躍を期待しています。

高岡早紀はテレビで見るとさすがに容姿に年齢を感じてしまうのですが、高岡早紀@御堂
静香はとても美しく、正に「娼館のマダム」。でも余命幾ばくもない身でのあるが故の葛藤や
陰影があまり感じられなかったのは残念でした。それに最後の情事のシーンはあそこまで
やらずに観客の想像に任せても良かったのでは思いました。それまでの情事があそこまで
リアルだとやらざるを得なかったとは思いますが。

存在感を放っていたのは江波杏子@老女で、「性」が人間にもたらす重みを何故か感じて
しまいました。

東京公演は明日が千秋楽。公演は大阪、福岡と続くようですが、チケットが手に入るようで
したら、見に行って損はない舞台だと思いました。

2013年5月 8日 (水)

天海祐希 軽い心筋梗塞で入院

NHKもトップニュースにしていましたが、女優の天海祐希さんが軽い心筋梗塞を起こして5
月6日から入院しているそうです。
http://news.nifty.com/cs/entame/showbizddetail/oricon-20130508-oric2024378/1.htm

記事にはしませんでしたが、4月の末に天海祐希さんが出演している「おのれナポレオン」を
見に行き、天海さんの美しさとコミカルな演技、切れのいいせりふ回し、少しだけでしたがピ
アノ演奏、野田秀樹とのわけのわからんダンスを堪能したばかりだったので、大変驚きまし
た。確か明日は「おのれナポレオン」のライブビューイングが予定されていると思いますが、
天海さんは降板ということで、ご本人もファンも残念でしょう。
宝塚を退団してからもドラマ、映画、舞台と常に先頭を走ってきた疲れが出たのでしょうか。
1日も早い回復をお祈りしたいと思いますが、いいチャンスですから、ゆっくり休んで充電して
ほしいと思います。

2011年2月27日 (日)

三谷幸喜作 「ろくでなし啄木」

「旬の俳優を生で見てみよう第2弾」として見に行ってきました。

2011年2月26日 13:00 天王洲 銀河劇場

公式サイトはこちらです。

http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=148

啄木とその愛人トミ、そして啄木の友人テツの3人が東北の温泉場に泊まりに行きます
が、啄木はトミとテツの2人をだまし、大金を巻き上げた上で忽然と姿を消します。その日
のいきさつを十数年後にトミからの視点、テツからの視点、そして故人となった啄木からの
視点で3人がそれぞれ語るという構成で、この構成自体はなかなかおもしろいなと思いま
した。
最後は藤原竜也@啄木がなぜ2人をだましたのか、その理由を文学を志す者としての苦
悩を絡めて語るのですが、その理由自体にはあまり感じるものがありませんでした。ただ
藤原竜也自身は啄木とシンクロして感極まったようで、カーテンコールでは何回も目元や
鼻をぬぐっていました。

吹石一恵はこのお芝居が初舞台で、その天然ぶりを三谷さんが朝日新聞に連載している
自身のコラムに書いていましたが、声のトーン、声量とも安定してセリフ回しも明瞭で、情
感の表現も適切なのに感心しました。
藤原竜也、中村勘太郎も大熱演でしたが、早口でセリフをたたきつけるように言うところが
逆に物語の奥行きや余韻をなくしているように感じてちょっと気になりました。こういう演出
なのでしょうか。2人のアドリブに任されているところが1場面だけあるのですが、この日の
藤原竜也はうまくアドリブが思いつかなかったようで、「見切り発車はやめとけ。」と勘太郎
に突っ込まれて苦笑いをし、客席からも笑いと拍手が起きていました。

残念ながら「テンペスト」「ろくでなし啄木」ともドラマを堪能する、というところまではいきま
せんでしたが、もうしばらく「旬の俳優を生で見てみようシリーズ」は続けてみようと思いま
す。

2011年2月12日 (土)

琉球ロマネスク「テンペスト」

旬の俳優を生で見てみたいものだとふと思い立ちまして、見に行ってきました。

ストーリーとキャストはこちらをどうぞ。

http://www.tempest2011.jp/index2.html

生で演劇を見るのは本当に久しぶりなので、役者さんたちがピンマイクを使っているとか、
背景をプロジェクターを使って映しているとか、部分的にあらかじめ撮影してある映像を挿
入するとかびっくりすることばかり。
小説「テンペスト」は読んでいないので、どの程度原作に忠実なのかわかりませんが、コン
パクトにテンポよくまとめてあったかな、と思います。ちょこちょこ時事ネタも盛り込んであっ
て客席の笑いを誘っていましたが、その分物語が中途半端になってしまい、ちょっと違和
感を持ちました。

主演の仲間由紀恵はセリフの切れが良く、声のトーン、大きさ、情感の表現も適切で、こ
の人の舞台は今後も「定点観測」していきたいなと思いました。
山本耕史は「新撰組!」の前から注目していたのですが、侍姿が似合いますね。アカペラ
で歌を歌うシーンが何回かあるのですが、うまくてびっくりしました。カーテンコールではス
ーツ姿に巻いていたマフラーを客席に投げるふりをして客席いじりをしていました。
生瀬勝久はドラマ同様の存在感で目立っていましたが、決めるところはきっちり決めてい
て、さすが舞台出身者だなと思いました。時事ネタを盛り込んでいたのはもっぱらこの人で
したが、おそらくアドリブだと思います。

月末は三谷幸喜作「ろくでなし啄木」を見に行く予定ですが、こちらも楽しみです。

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